2017年11月16日木曜日
[164] Tim Story - Buzzle
Label: Curious Music
Catalog#: curio -
Format: Vinyl, LP, Album
Country: US
Released: 2017 (2006)
1 Rota 5:06
2 Prelude To Biting 2:36
3 Decelerate Or Fasten 5:39
4 Vitreous 1:52
5 Monkey Builderizer 3:50
6 Pol Tees 3:43
7 Otherize 3:31
8 Dust Bale Hole 5:08
9 Cafe Kaputt 1:24
10 The Woman Singing 4:42
11 Albacranky 1:42
12 You Are Patient 4:21
13 Something Happened Here (Remix) 2:43
14 Yeh! 4:06
クラスターとウィンダムヒルの出会いともいうべき「Threads」で81年にデビュー以来、エレクトロニクスとモダンクラシカルな器楽を融合させたエレガントなサウンドで、Uniton、Hearts Of Space、Nepenthe Musicなどのレーベルから多数のソロアルバムとコラボレーション作品(Hans-Joachim Roedelius, Dwight Ashley, Andrea Mathews)をリリースし、長編ドキュメンタリーのスコアでも成功を収めているフィラデルフィア出身の作曲家Tim Story(ティム・ストーリー)。彼が2006年にリリースしたアトモスフェリックなダウンテンポ・アンビエント作「Buzzle」が、オリジナルCDから10余年を経て初のヴァイナル・リイシュー。
In 2006, those who knew Tim Story as a craftsman of elegant, understated chamber music for post-moderns may have been in for a surprise with his latest release Buzzle. The creamy cello lines and hauntingly spare piano lines that listeners might have expected were certainly in short supply. But those who dove under the surface of Buzzle’s rich and seductive electronica found much that was familiar — and very Tim Story. Story has a distinct sense of musical humor that manages to find its way onto a track or two of even his most somber and poignant work. In Buzzle, that quirky humor bubbles to the surface with regularity (as reflected in several of the track titles), relieving the dramatic tension produced by mysterious, indecipherable vocals and the curious electronic rhythms heard throughout the album. An almost subterranean thread linking these tracks is a smoky, lush abstraction that at times recalls the laconic existentialism of Portishead, Boards of Canada, and Amon Tobin. Buzzle is indeed atmospheric, enigmatic, and programmatic. But above all, it’s eminently listenable. All that Tim Story devotees love about his work is still here in spades. Originally issued in an extremely limited CD run in 2006, this first-ever vinyl release comes in a high-quality limited edition of 500 copies on double 180-gram Coke-bottle clear vinyl in a deluxe matte finish gatefold sleeve, featuring the photography of Mark Packo throughout. Also included is a high-resolution, numbered art print, signed by Story and Packo. An MP3 download is also included with the vinyl edition. ▲
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2017年11月14日火曜日
[163.1] RVNG Intl. Japan Showcase Tour

今年2月にVisible Cloaks(ビジブル・クロークス)がリリースしたアルバム「Reassemblage」の透明でエスニックなエレクトロニック・サウンドは、ニューエイジというタームが新しい価値観とともに再浮上した昨今の音楽シーンの中でも、図抜けて鮮烈なインパクトを放つものだったと思います。Visible Cloaksはポートランドを拠点に活動するSpencer Doran(スペンサー・ドラン)とRyan Carlile(ライアン・カーライル)によるデュオ・プロジェクト。元々はSpencer Dのソロ・プロジェクトCloaksが母体となり、そこに00年代中頃からサイケデリックロック・グループEternal Tapestryとしても活動するRyanが加わり、現在の活動が始まったそうです。
Cloaksを知らなかった自分がその存在を知ったのは、Spencer DがRoot Blogを通じてサウンドクラウド上で公開した「Music Interior」というミックステープがきっかけでした。そのミックスは、吉村弘、広瀬豊、尾島由郎、高田みどり、細野晴臣のMedium Recordsのような、80年代に日本で制作された環境音楽やミニマル・ミュージックのレコードからセレクトされたものでした。Spencer Dは、これまで日本やイタリアの音楽をはじめ、歴史の中に埋もれた作品にフォーカスを当ててきた研究者肌のレコードディガーであり、その再評価や発掘・流通を影で支えてきた彼の影響力はとても大きいと感じています。
新作EP「Lex」のリリースを間近に控えたこの11月、Visible Cloaksと、面妖奇怪な電化民俗音楽で国内外から注目を集めるSugai Ken(スガイ・ケン)さん、さらに彼らのリリースレーベルであるRVNG Intl.のオーナーMatt Werth(マット・ワース)が帯同する来日ショーケース・ツアーが東京・大阪・新潟で開催されます。新潟公演は11月25日(土)木揚場教会にて。主催は、毎回素晴らしい企画をされているExperimental Roomsの星野さん。18才以下はエントランスフリー、県外からの来られる方へのディスカウントもありますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。
Visible Cloaks - Lex (2017)

Sugai Ken – UkabazUmorezU / 不浮不埋 (2017)
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RVNG Intl. Japan Showcase Tour - Niigata
2017.11.25 sat 17:30 start
木揚場教会(新潟市中央区礎町通上一ノ町)
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Experimental Rooms
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2017年11月11日土曜日
[163] Shinji Chiura - Eterna
Label: Anpao
Catalog#: ANP-3001
Format: CD, Album
Country: Japan
Released: 2013
1 Eterna 9:09
2 Dream In Dream 8:24
3 Story Of Forest 11:20
4 Angel Garden 7:54
5 Spiral Wave 7:10
6 Steps 9:33
90年代から吉村弘や岡野弘幹、アヌガマ、フランク・ローレンツェンなどの音楽を紹介してきたヒーリング音楽の老舗プレム・プロモーションがベストセラーとしてレコメンドしている作曲家・知浦伸司(ちうらしんじ)。1979年よりニューヨークでパフォーミングアートを学んだ後、ワシントン州ロペズ島の自然の中に拠点を移し、自然のハーモニーを感じながらヴィジュアルアートやモダンダンスとのコラボレーションを中心とした創作活動を展開。86年に帰国後は環境音楽やサウンドデザインの仕事に携わり、98年から現在まで八ヶ岳山麓のスタジオ=ANPAO Studioを拠点に、自身のスピリチュアル体験をベースにしたヒーリング〜瞑想音楽の創作を続けています。この「エテルナ」は、前作「フローラ」で試みたソルフェジオ周波数に基づく作曲に専念した「ソルフェジオ・ヒーリング」シリーズの第一弾作品。ソルフェジオ周波数とは、古代グレゴリアン聖歌に含まれていたと伝えられる音階。本作で採用されている528hzは、東洋精神学では第3チャクラを安定させて自己実現・解放のための道を開くとされ、近年医療の現場でもDNA修復のために使われているそうです。そんな「奇跡の周波数」とも呼ばれる528hzにチューニングされたやわらかな音色のシンセサイザーを主調としながら、日本人の琴線に触れるような懐かしさを感じさせてくれるポジティヴなハーモニーに満ちた作品です。知浦氏のディスコグラフィーのページには八ヶ岳に拠点を移した頃に制作した「Blue Forest」(初版2004年)以降のアルバムが掲載され、以前の作品は公にされていませんが、彼が80年代に手掛けたという環境音楽やサウンドデザインにもとても興味がそそられます。
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2017年11月8日水曜日
[162] István Márta - Támad A Szél
Catalog#: SLPX 17963
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Hungary
Released: 1987
DISCOGS
A1 Támad A Szél (The Wind Rises) 8:20
A2 Munkadal (Work Song) 2:06
A3 Fatelep (Timberyard) 2:28
A4 Templom (Church) 3:37
A5 Október (October) 1:03
B1 Erdei Opera (Forest Opera) 3:29
B2 Rom (Ruin) 4:33
B3 Kaplocs Riadó (Kapolcs Alarm) 4:54
B4 A Határ (The Fields) 4:51
ミニマル音楽のカルトクラシック「Hearts」を発表後、国営レーベルHungaratonから依頼された「Switched On Mozart」シリーズのプロデュース仕事と引き換えに、その他に何でも好きな作品をプロデュースできるという好条件に同意したIstván Mártha(イシュトヴァーン・マールタ)が、1985年〜86年にかけて録音した農村オペラ作品。タイトル「Támad A Szél - Hangnapló」はハンガリー語で「風が立つ/音響日記」の意。そのタイトルで示されるように、ヴェスプレーム県カポルチ周辺の自然環境や教会の空間に最先端のスタジオ技術が持ち込まれ、そのロケーションの空気ごと録音するというドキュメンタリー的な手法で制作されました。全てのテキストを手掛けた詩人Endre Szkárosi(エンドレ・シュカロシ)、画家Sándor Bernáthy(シャンドール・ベルナーティ)、トランシルバニア地方の民謡を継承する歌手Márta Sebestyén(マールタ・シェベスチェーン)など、オルタナティブ・シーン最前衛の音楽家や芸術家らが多数参加。クラシック、ジャズ、インダストリアル・ロック、トラディショナル・フォーク、アンビエントに及ぶ要素をコラージュのように折衷したフリーフォームな音楽性に、共産主義の抑圧を避けるために抽象化させた文学的言語、自然との関係性、国家・民族・宗教の多層的な歴史性を集約するという大胆で冒険的な試み。リリースは87年ですが、73年にルーマニア〜モルドバで(おそらく文書資料を)収集した旨が記されており、マールタが10年以上にわたり温めてきた構想を、レーベルから与えられた好機を大いに利用して実現させたものと見てとれます。歴史・文化に関わるハンガリー語のテキストは理解が難しいですが、時空を超えるようなスケール感とダイナミックに起伏する物語的展開、シェベスチェーンの歌声をはじめとする野趣な民族文様の美しさが強く印象に残る作品です。
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1985-86-ban készítettem "hangnaplómat" Kapolcson és környékén. Az erről készült amatőr videónak - talán Jakobi László munkája - néhány részletét vágtam össze. Cseh Tamás a kapolcsi evangélikus templomban. A pozan mögött Gőz László, az orgonánál jómagam. Később az evangélikus asszonykórus mellett föltűnik a néhai Kiss János tiszteletes bácsi is. Németh Sándor - apáti szaxofonos - sincs már közöttünk. A templomtoronyvban énekelő Tamást azok a kapolcsi kisgyerekek bámulják, akik már azóta családot alapítottak. Az erdei felvétel a petenden készült. Itt Török Ádám, Zakariás István hangmérnök, Kőbányai János író mellett Füzes Péter "kürtöl" a fák között. Az általam megzenésített Oravecz-vers (Szajla...) végül kimaradt a lemezemről.... most megtaláltam. MÁRTA ISTVÁN 2011. május
2017年11月2日木曜日
[161] Michel Banabila on Trespassing
Invisible City Editionの共同設立者であり、音楽家/DJ/プロデューサーのBrandon Hocura(ブランドン・ホクラ)により新たに立ち上げられたレーベルSéance Centerから、間もなくリリースされるオランダのサウンドアーティストMichel Banabila(ミシェル・バナビラ)のコンピレーション「Trespassing」。彼の初期作の中でも特にリイシューを望む声が多かったファーストアルバム「Marilli」に加え、今年録音された新曲やこれまでの未発表曲を収録したLP2枚組になるとアナウンスされています。リリースに先がけて先月レーベルサイトで公開されたバナビラへのインタビュー記事では、「Marilli」を録音した時期のこと、かつては未熟なものとして恥じていた初期作に対する心境の変化などが、とてもリアルに語られています。以下は、その記事の日本語訳です。(一部、不正確な訳になっているかもしれません)
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[MB] 私の家にはピアノ、バイオリン、ギターがあり、私はとても幼い頃から音楽を聴くのが大好きでした。母も同じように音楽を愛していました。私は母からミリアム・マケバ(南アフリカ共和国のシンガー)のシングルと、隣人からアーサー・コンリー(アメリカのサザンソウル・シンガー)のレコードをもらいました。また、義父がユダヤ系オランダ人だったので、ハヌカ(宮きよめの祭)の音楽も記憶に残っています。
15歳の時、家を出てアムステルダムで一人暮らしをはじめました。私はさまざまな音楽をカセットテープに録音しました。私はフェイザーが付いたホーナー社製ピアネットを持っていました。その後、あらゆる種類の音楽を聴きました。ピーター・ガブリエルがいたジェネシスのようなものもありましたが、アラブ音楽をたくさん聴きました。
実の父は私が2歳の時に家を出て行ったので、彼がおそらくレバノン人であったこと以外ほとんど何も知りませんでした。私はアラビア語を学ばなかったので、歌詞を理解することなくファイルーズやワディ・エル・サフィといったレバノンの歌手を聴いていました。35年後、私はついにスイスで父を見つけました。彼がレバノンではなくイエメン出身だったことが分かりました。それ以来、私はイエメンの音楽を聴きはじめました。90年代後半に、実際にイエメンを訪ね、サナアのストリートでレコーディングをしました。
たしか18歳になった頃、市内に8トラック・スタジオがあることを初めて耳にしました。数時間レコーディングするための資金を得ると、私はすぐスタジオにカリンバ、小さなトーキングドラム、シェイカー、バラフォンなどの楽器、ポットやボトルやおもちゃのようなもの、カセットテープを持ち込みました。そのスタジオには、シンセサイザー、スプリングリバーブ、スペースエコーのような、それまで見たことのない面白いものがたくさんありました。私の頭の中にはいくつかの曲のイメージがあったので、すぐに即興で音の絵を描きました。楽器を操ったこともなければ音楽教育も受けていないし、シンセサイザーについても何も知らなかったが、しかし不思議なことに、私はそれをまったく気にしませんでした。とにかく録音したかったのです。私はスタジオで試すことができる全てを考えるのが好きでした。1時間毎にスタジオ代を払わなければならなかったので、私の即興はおそらく技術者にとっては少し異様に見えたと思います。私はいつも正確な支払いをしなかったので、その時のマスターは何も残っていません。
[BH] 「Marilli」を録音した時、あなたはどのような環境にいましたか?
[MB] 15歳の時、私はアムステルダムにある動物園の向かいのサルファティ通りに住んでいました。おかしな話ですが、今私はロッテルダムにある動物園の向かいに住んでいます。私と友人は、1977年にパラティソ(アムステルダムの古い教会を改築したライブハウス)でストラングラーズやブロンディを観ました。とても刺激的なコンサートでした。1984年、私はパラディソで行われたテヘントネン・フェスティバルで初めてライブをして、とてもよい評価を受けました。しばらくして、アルバート・カイプ市場に近いデ・ペイプで放置されていた空き家に友人達と住みはじめました。そこは既に取り壊されて更地になり、新しい家が建てられました。その近所で、後に「Marilli」で演奏するセシル・ウェスペルとレズリー・ジョセフと出会いました。ピエット・リトヴェルドとは高校の頃から知り合いでした。セシルは近くに住んでいて、彼はスリナム音楽のテープを聴かせてくれました。
私達はたくさんのドラッグに浸っていました。LSDからは大きな影響を受けました。私達はそのための準備ができていなかったと思います。ある意味では私は本当によくなかったが、それに気づきませんでした。数人の友人はドラッグが原因で亡くなりました。それはちょっとした暗い時期でした。私達は常にお金に困っていました。また、市内ではスクワット(建物の不法占拠)をめぐる警察との騒動が何度もありました。しかし、ネガティヴなことだけでなく、そこには実験的でクリエイティヴな空気があったことは強調したいです。今のオランダの状況とは少し違います。私のテープを売ってくれるStaalplaatというよいお店がありました。彼らはラジオで「Marilli」をかけてくれました。「Marilli」は1983年にリリースされ、その2年後に私はCHIというロッテルダムの新しいグループに誘われ、彼らのレコーディングやライブに参加しました。私達はオランダで数回コンサートを行い、86年にカセットテープをリリースしました。その作品は、最近Astral Industriesによってリイシューされました。
あなたにアートワークのための写真を送って「Marilli」に耳を傾けながら、私のまわりにあった音楽と私の作っていた音楽が完全に対照的であることに不意に気づきました。これまで考えもしませんでした。「Marilli」は80年代初頭の雨の多いアムステルダムより、もっとエキゾチックな熱帯の島の音楽のように聞こえます。
[BH] その環境はどのようにアルバムに影響を与えたのですか?
[MB] 私のアパートにはベッド、テレビ、カセットプレーヤー、テープの他にほとんど何もありませんでした。近所の住人は騒がしく、私は孤独でした。それから音楽は、刺激や元気を与えてくれて、励みになり、夢を持つことができる唯一のものになりました。たまにジャムセッションをする以外、私はあまり他の人と一緒に演奏しませんでした。他の人達は私よりもはるかに腕がよく、ファンクやジャズのバンドで頻繁に演奏していました。しかし、彼らは私の風変わりなレコーディングが好きでした。振り返ってみると、私はおそらく音楽の中で自分が行きたい場所を想像しようとしていたのかもしれません。
[BH] 「Marilli」への他からの影響はありましたか?
[MB] 明らかに1981年に聴いた「My Life In The Bush Of Ghosts」です。それはまさに爆弾で、私は完全に吹き飛ばされました。とてもショックでした。それまでそのような音楽は聴いたことはなく、私は多大な影響を受けました。そのLPをこれまで何度も聴いてきましたが、いまだに新しい発見があります。何年経っても、このアルバムは私にとって新鮮に響きます。驚くほど見事なレコードです。オーガニックで実験的なリズムと全ての声の使い方、斬新なサウンド、そしてデヴィッド・バーンの素晴らしいギタープレイ。その後、誰かがジョン・ハッセルとの曲「Shadow」( ブライアン・イーノ「Ambient 4: On Land」収録)を聴かせてくれました。ヘッドフォンで。その曲もまた爆弾でした。それがトランペットの音だとはまったく信じられませんでした。本当に地球外のエイリアンを聴いているように思いました。完全に魔法でした。
[BH] LPをリイシューするために多くの説得がありました。あなたは今このアルバムをどう思っていますか?また、なぜ多くの人々の心に響くと思いますか?
[MB] この3年、私のまわりの音楽世界について全ての認識の可能性を失ったように感じます。とても混乱しました。盲点だったのかもしれないが、私が考えていたものとはかなり異なる結果になりました。
86年前後に(その頃、ブライアン・イーノ、ホルガー・シューカイ、ジョン・ハッセル、ハロルド・バッド、スーザン・ディヒムといった音楽を聴いていました)私は最初のアルバムを以前とは異なる耳で聴きはじめました。特に「Marilli」は「My Life In The Bush Of Ghosts」のピニャコラーダ・バージョンのように聞こえはじめました。私はバラフォンを使って、不意に奇妙で原始的でふざけたように見えるトロピカル風のメロディをぎこちなく演奏しています。私は「Marilli」が恥ずかしくて、これらの録音のことを忘れていました。
そのため、今になって幾つかのレーベルがこのアルバムについて連絡をくれた時に、私ははじめその理由を理解できませんでした。私は彼らに最新のマテリアルをリリースするよう説得しましたが、しかし彼らが望むものは「Marilli」でした。私は実際に、手元にあった「Marilli」の最後のきれいなコピーをDiscogsで販売しました。その後すぐ、私がアルバムを作った時に彼らリスナーが生まれていなかったこと、そしておそらく彼らはデジタルな音とともに育ったということに気づきました。また、当時使っていたシンセサイザーは現在では見つけにくくなっていて、多くの若いリスナーは古いアナログシンセが好きなのだと分かりました。
何年もかかって皆と同じようにクオンタイズされたコンピューターのリズムループを使えるようになってから、不意に私の音楽のずれたリズムの魅力や理想像、たとえ何があっても音楽を作ろうとした信念を感じることができるようになりました。このLPにはエラーがたくさんありますが、しかし全てのエラーを補正できるコンピューターが使われている今日では、そのようなエラーをともなうLPはほとんどないでしょう。とりわけ私は、このレコードの「空間的な自然の音」、つまり録音された場所や、スタジオ空間の音が好きになりました。私はしばしばリバーブを加えずに録音していたからです。今日のコンピューターでは、リバーブ効果により、何でも異常なほどステレオで、とても広く、超ハイファイで鮮明な音につくることができます。しかし、たぶんそれは、実際に記録された場所の感覚を失うことになり、すべてが同じように聞こえてしまう危険性があります。このような理由で、私は少し穏やかに人々がLPについて話すことに耳を傾けるようになりました。しかし、B5のライオンの吠える音についてはいまだに恥ずかしいです。
[BH] 新曲や未発表素材とあわせてこのアルバムを再リリースすることは、あなたのキャリアのアーチを橋渡しするよい方法です。あなたの音楽の進化をどう思いますか?
[MB] 先に話したように、この3年の間、私はまわりの音楽世界について自分の認識を失いました。私は何をしているのか、それをどう見ているのかを、まだよく分かっていません。この数年たくさんのコラボレーションをしてきて、私は今も音楽を録音することが大好きです。「Trespassing」(不法侵入の意)の1枚目で、私は「Marilli」と共鳴するものを作ろうとしましたが、それは今やっていることにも繋がりました。今と昔の間に架かる橋のように。実際に、それらを混ぜ合わせたことにとても満足しています。私は83年からやって来た男と和解しました。
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the above texts is Japanese translation of an interview article
originally posted on the Séance Center's webpage.
www.seance-centre.com/news/2017/10/4/interview-michel-banabila
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