Label: Sunup Recordings
Catalog#: SR067
Format: Digital, Album
Country: US
Released: 2012
1 Eden 0:31
2 Fentanyl Flowers 1:48
3 Fortune Gardens 1:08
4 Midnight Ferry 1:09
5 Haneda 0:49
6 Miro's Dream 1:35
7 Gin & Tonic 1:29
8 Candlelight Email 0:58
ニューエイジとヒップホップとローファイがごちゃごちゃになったような謎のムーブメントが起きていることに静かな興奮を覚え、BandcampやMediaFireから音源を拾い集めて聴いていた2012年の春頃。Laserdisc Visions、Internet Club、骨架的、Midnight Television、18 Carat Affair、bitterTV───。当時、そうした動きを面白がって反応していたのが、自分よりも一回り若い20代の人たちで、ネットカルチャーへの理解が柔軟な世代に気後れしつつも情報を追っているうち、イギリスの音楽評論家Adam HarperがDummy Magazineに寄稿した記事と、同氏によるミックス「Welcome to the Virtual Plaza Mix」に触れ、ようやくそれが「vaporwave」と呼ばれるものなのだと把握するに至りました。
半分冗談で、残りの半分も空虚のような、曖昧模糊とした初期vaporwave。その中でもとりわけ惹かれたのが、ニューヨークを拠点に活動する匿名作家・骨架的。骨架的のスタイルは、悪ふざけ・破壊・嘲笑といった類はおおよそ控えめで、自身が敬愛するR&Bやブラコンといったスムースな80年代サウンドから最も好きな瞬間だけを切り取り、アンビエントのサンプルカタログを量産していくような、宅録プロデューサー的な作家性が強く感じられました。同年9月に「Reflections」(透明なクリスタル表彰盾のアートワーク▲)、10月に「Lost Memories」「Liquid Fantasy」「Illegal Antenna」を3日連続でリリースしたあたりが、個人的なvaporwave体験のハイライトだったと思います。
骨架的と同じくらいよく聴いていたのが、このDiskette Romancesによるカセット作品。リリース元は初期vaporwaveの重要な発信地のひとつだったDIYレーベルSunup Recordings。内容はわずか10分に満たないオフィスジャム。しかし何度再生したか分からないほどリピートしていました。昨年、WhoSampledを眺めていて、本作のサンプリングソースとして登録されていた五十嵐浩晃「ふたりのSONG BOOK」「風のデュエット」に辿り着き、1980年代なのか2012年なのか、どこへ帰着するのかも分からない懐かしさの感覚は何なのだろうと。元ネタの回収を経て、当時のvaporwave体験(子供がまだ幼かった頃の記憶)のエコーが完結したような、なんとも不思議な感慨を得た気がします。
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