2026年10月29日木曜日

Lullabies for Insomniacs Mix


Mix for Mitamine Labに続き、こちらも2016年10月の公開から10年が経ち、改めてトラックリストとあわせて残しておこうと思います。オランダ・アムステルダム拠点のレフトフィールド/エクスペリメンタル・レーベルLullabies for Insomniacs(不眠症のための子守唄)のためのミックス。弦楽器のアンビエンスとミニマリズムへの興味が反映されたもので、全編にわたりアコースティックギターやフィドル、カンクレスといった弦楽器を主体としたセレクションになっています。レーベルオーナーのIzabel Caligioreさんは、現在オーストラリア・メルボルンに拠点を移し、水泳クラブのヘッドコーチや総合格闘技のファイターとして活動されているとのこと。音楽とは異なるフィールドでも変わらず素晴らしいバイタリティだと思います。10年間たった今も公開されていることに改めて感謝したいです。


tracklist:
Seigen Ono - Noah's Ark (1991)
Martin Kolbe & Ralf Illenberger - Andreas (1981)
Nélson Ângelo - Harmonia da Água (1990)
Ženklas - Grybai (1990)
Ivar Grydeland - Bounce Back (2012)
Natural Calamity - Interzone pt.2 (1991)
Kim Myhr - Milk Run Sky (2016)
Ivory Playground - Ivory Playground (1987)
Nils Økland - Månelyst (2000)
Teruoki Mishina - Suburban Life 9 p.m. (2012)*
*with Jack Goldstein's sound effect
Laurence Crane - Riis (2014)
KEI - Lotu (2001)**
**with Gordon Hempton's sound effect


2026年10月27日火曜日

Jeffrey Roden - Songs For Susan


Label: The Big Tree Music
Catalog#: BTCDJR-2
Format: CD, Album 
Country: US
Released: 1996

1 Sketch 4 4:24
2 One Thousand Voices 4:27
3 Object Of Desire 3:14
4 Will You 4:03
5 Nina Sleeping 5:13
6 I Remember You 3:39
7 Mistress Of The Moon 4:41
8 Smiles Of Angels 4:17
9 A Glimpse Of You 3:52
10 First Chord 4:53

70年代から様々なジャンルでプロのセッションプレーヤーとして活動。90年代以降は商業音楽の現場から離れ、フェンダー・プレシジョンベースの持つ音響的な可能性に着目した独自のソロ表現を探求してきたカリフォルニアの音楽家Jeffrey Roden(ジェフリー・ローデン)。サウンドアート作家Steve Roden(スティーヴ・ローデン)がプロデュースを手がけ、自主レーベルから発表したセカンドアルバム。アートワークは70年代に早世した友人Susan Lewによるもので、この作品自体も彼女に捧げられています。沈黙と空白を生かしたベースのフレージングを中心に、ヴォイス、打楽器、シンセサイザーの淡いレイヤーが重なる構成。技巧や音数を徹底的に抑えた寡黙なプロダクションは前作同様ですが、今作ではシンセサイザーのアレンジが重層的になったことで柔らかなリスニング感が際立っています。ジャズに根差したアンビエント/ミニマリズム的な表現でありながら、所謂アンビエントジャズとも当時のポストロックとも異なるきわめて孤高な音楽。突き放すようなストイシズムはなく、どこまでも穏やかで控えめな叙情性があり、聴き手の意識をゆっくりと内側へ導いていきます。

「沈黙の中には、夢を見たり、思いを巡らせるための小さな余白があります。そこでは内なる声に耳を傾けたり、ささやかな気づきやメッセージに出会ったりすることができるかもしれません。私たちは絶え間ない音に満ちた世界を生きています。私はそこにひとときの安息と、もうひとつの世界への入口を提供できればと願っています。それが明晰さの世界なのか、美しさの世界なのか、どのような旅なのかは聴く人それぞれに委ねられます。沈黙とは、絵を囲む額縁であり、会話の中のひと呼吸であり、すべてが立ち止まって自分自身を見つけることのできる瞬間なのです。」 - Jeffrey Roden ▲

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2026年10月25日日曜日

FM Skyline - Blue


Label: 100% Electronica
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: US
Released: 2025

1 Blue #1 (Darn That Dream) 5:50
2 Blue #2 4:23
3 Blue #3 2:56
4 Blue #4 2:48
5 Blue #5 2:50
6 Blue #6 3:40
7 Blue #7 4:23

「静かで孤独な夜」のためのブルーアルバム。作者はバージニア州リッチモンドを拠点に活動するエレクトロニック・プロデューサーFM Skyline。仮想未来的で煌びやかなシンセサウンドで知られる彼が、本作では「ソロピアノのための青の習作」という言葉の通り、全編にわたりYAMAHA SY55の穏やかなエレピ調トーンにフォーカス。夢から目覚めた後の現実との隔たりを歌った1939年のジャズスタンダード「Darn That Dream」を独自に解釈した#1から、イマジネーションを広げるように展開される7つの青。ガラス細工が並ぶ真夜中のアンティークショップ、あるいは夕暮れ時の淡い光に包まれたステンドグラス工房で、美しいものに囲まれながら終末時計の針が進むのを静かに眺めているかのよう。幻想的で物悲しい寂寞としたサウンドは、端々にDominique Lawalréeの自己療養的なシンセ作品や林知行「Color Message Blue」を思い起こさせるところがあります。

「私たちは好んで青を眺める。それは青が私たちに向かって迫ってくるからではなく、私たちをその彼方へと引き寄せるからである」
"we love to contemplate blue — not because it advances to us, but because it draws us after it"

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2026年10月23日金曜日

A Gethsémani - Océan Velouté


Label: -
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: France
Released: 2020 (1988)

1 Pouss en vacances et tire au flanc 3:56
2 Etichette 6:40
3 Réponse 6:31
4 Famous Collector 4:17
5 Dans l'inspiration du moment 6:46
6 Boulevard de la source 6:25
7 Toiouti 3:50
8 De ces soirs d'ennui 4:42
9 Mélodie perdue 6:42
10 Chanson d'amour 7:56

1988年、私は大学で学ぶためにランスで暮らし始めました。ほぼソロ・プロジェクトとして制作したファースト・カセット「Ame Triste」を経て、当時の恋人で歌手になることに興味を持っていたIsabelle Morival(イザベル・モリヴァル)との本格的なデュオ活動が始まりました。私たちはKas ProductやDead Can Danceのような男女混成デュオがとても好きでした。

恋人同士の共同作業は、やがて自然と役割分担を伴うようになりました。私が作曲と楽器演奏を担当し、彼女がメロディとボーカルを受け持つというスタイルです。曲作りの手順は、まず私が楽曲を録音して歌詞の案を持ち寄り、イザベルがそれに合わせて自分の歌を曲に重ねていくというものでした。彼女には確かな音楽的センスがあり、時間をかける必要もほとんどありませんでした。彼女の声はとても美しく、官能的なニュアンスを帯びることもあれば、時に子どものように無邪気に聞こえることもあり、いつも豊かな表現力に満ちていました。

このカセット作品を広く届けるため、私たちは楽曲の歌詞と写真を掲載した素敵なブックレットを印刷しました(写真の中には、友人のSebastian Ganderaの写真も1枚含まれています)。このブックレットはボックスセットに収められ、表紙にはもう一人の友人Stephaneの父親であるClaude Bertrandが撮影した美しい写真が使われました。ノルウェーのノールカップで撮影されたその写真と、イザベルの甘美な歌声から着想を得て生まれたのが「Océan Velouté(ベルベットの海)」というタイトルです。

Bernard Odot(ベルナール・オド)
2020年3月

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2026年10月21日水曜日

River Master - The Angler's Dream


Label: World of Equip
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: US
Released: 2022

1 Legend of the River Master 1:26
2 Tranquil Waters 2:06
3 Tackle Box Organization 2:16
4 Lazy Afternoon 2:55
5 Bait Shop 1:22
6 Unseen Depths 1:57
7 Melancholic Solitude 1:49
8 Lucky Lure 0:53
9 Slow Paddle 1:11
10 Lucky Catch 2:17
11 Exploring Upstream 1:48
12 Endless Blue 2:04
13 Cool Contemplation 2:54
14 Rained Out 2:36
15 A New Day 3:16
16 Crisp Valley Air 1:39
17 An Angler's Pride 1:02
18 Fresh Lures 2:39
19 Big Bass 3:04
20 Redfin Waltz 1:58
21 Bluegill Blues 2:21
22 Chasing The Big One 0:58
23 Giant Golden Trevally Battle / Victory Fanfare 3:20
24 Professional Angler 3:52
25 One Last Cast 1:12
26 Sunset / Heading Home 2:12

16ビット時代のビデオゲームにインスパイアされたサンプリング主体の作品を多数発表している作曲家/プロデューサーEquipことKevin Hein(ケヴィン・ハイン)。「モールソフト」ならぬ「リバーソフト」とタグ付けされた本作は、釣りゲームの音源のみに特化したRiver Masterシリーズの一作。オールドミノーでレイクトラウトを狙うアングラーが描かれた既視感のあるアートワークは、1992年発売のメガドライブ用ソフト「キングサーモン」のパッケージイラストを引用したもの。本編もまた、合成された疑似環境音や水音のテクスチャといった当時の音素材を組み合わせ、実在しないゲームのサウンドトラックとして再構築されています。ニューエイジ調の前半(1〜14)は、水辺で過ごす穏やかな昼下がり。後半(15〜26)は、大物との手に汗握るファイトから帰路へ。かつてのウェザーキャストやフィラーに感じる安らぎを、ゲームの中に仮構された自然の中で過ごす時間へと置き換えたような、ノスタルジックで瑞々しい世界観です。

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2026年10月16日金曜日

Karma - Pad Sounds


Label: Groove Attack
Catalog#: GAP 031-CD
Format: CD, Album 
Country: Germany
Released: 1997

1 Pad 1 0:47
2 My Resting Place 7:36
3 Relax Yourself 3:04
4 Ghia 6:42
5 Enter The Dragon Pt.1 2:35
6 Enter The Dragon Pt.2 5:07
7 Look Up Dere 6:47
8 Pad 2 0:49
9 Static Travelling 8:55
10 High Priestess ('97 Live Rmx) 10:40
11 Dakini 8:40

ドイツ・ケルンのデュオKarma(カルマ)が1997年に発表した初のフルレングス作品。ヴィブラフォンやエレピの浮遊感溢れるテクスチュア、ざらついたドラムパターンなど、古いレコードから抽出されたと思しきサンプルを主体に構築されたオーガニックなアブストラクト・ジャズ。ブロークンビーツが洗練を極める以前、90年代クラブジャズの過渡期を象徴するようなサウンドで、トリップホップ由来の埃っぽいブレイクビーツを基調としながら、コズミックなジャズファンク、ブラジル音楽のサウダージ、エキゾで軽妙なモンド感覚が、程よくルーズなテンションのなかで溶け合っています。雑多なエレメントを混在させる折衷主義的な手法は同時期のFila Brazilliaにも通じるものがあり、彼ら同様に肩の力が抜けたグルーヴが心地よいです。
特に惹かれるのが、涼しげなヴィブラフォンの揺らぎを切り取った短いインタールード「Pad 1」「Pad 2」からダウンテンポへと移り変わる展開。どことなくハイファイ・オーディオ全盛期(50〜60年代)の人々が夢見た遠い未来への憧憬を想起させる、レトロ・フューチャリスティックなラウンジ感覚。そう思えば、「Pad Sounds」というタイトルは、The Beach Boysの捩りだけでなく、かつての「Space Age Bachelor Pad Music」(独身男性の部屋のための未来派イージーリスニング)の文脈を掛け合わせた、ちょっとした言葉遊びだったのかもしれません。

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2026年10月14日水曜日

Ynos - Look into The Abyss


St.GIGAのヴォイス(詩と朗読)を手がけた作家・寮美千子氏がご自身のチャンネルで公開されているプログラム「空の夢2(Dream of Sky)」の冒頭より。ドイツのプロデューサーDetlef HastikとRalph Fritschによるユニット、Ynos(イノス)が1995年に発表したアルバム「Chill Out Sector」の収録曲。90年代ジャーマン・テクノ/ハードトランス・シーンでのKomakino名義の活動で知られる2人ですが、このYnos名義ではビートを排した静謐なチルアウト・サウンドを展開しています。音の潮流はその後、波のSEとともにSolar Quest「The Belle of Atlantis」、Stina Nordenstam「Little Star (Stevie B. Zet Rmx)」、Jonn Serrie「The Century Princess」へ。ゆったりとした海洋感覚が漂うディープ・アンビエントがシームレスに連なっていきます。

2026年10月11日日曜日

A Small, Good Thing - Slim Westerns


Label: Soleilmoon Recordings
Catalog#: SOL 23 CD
Format: CD, Album 
Country: US
Released: 1994

1 Godforsaken 6:23
2 Drowning Light 3:49
3 Twice As Evil As You 3:01
4 Hole In The Heart 3:53
5 Gulch 5:17
6 Flamenco 1 2:42
7 Scorched Earth 4:05
8 Heathaze 3:51
9 Someplace South Of Here 6:38
10 Gunsmoke 2:37
11 Flamenco 2 2:06
12 Saguaro 6:01
13 Jane Russell 2:11

アメリカ南西部の荒涼としたバッドランド(荒野地帯)をさまようアウトロー、Gerry Melodyを描いた架空の映画のサウンドトラック。A Small, Good Thingは、前身プロジェクトGushで1980年代半ばから共に活動してきたAndrew Hulme(アンドリュー・ヒューム)、Mark Sedgewick(マーク・セジウィック)、Tom Fazzini(トム・ファジーニ)の3人によって立ち上げられた音と映像のプロジェクト。Hulmeはアンビエント・ユニットO Yuki Conjugate(オ・ユキ・コンジュゲイト)の中心人物としても知られていますが、Popol VuhやJon Hassellの影響下で幻想民族音楽を探求したOYCとは一線を画し、このプロジェクトではトリップホップ、ラウンジ・ジャズ、ドラムンベースといった当時のトレンド的要素を取り入れながら、作品ごとにアプローチを変化させていきました。
1stアルバム「Slim Westerns」は、Gushが「Wilderness Years」を最後に活動を終えた1989年から1993年7月まで、約4年の間に録音されたマテリアルで構成。FazziniとSedgwickのブルージーなギターを全面にフィーチャーし、映画のシーンを想起させる効果音やアンビエンスを織り交ぜながら、Steve Roach、Natural Calamity、Ry Cooder「Paris, Texas」にも通じる土臭さ、沁々とした哀愁と寂寥感をかきたてるサウンドスケープを展開しています。

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2026年10月8日木曜日

va Nowhere Rain


Label: Ze-Koo
Catalog#: LACD-0015
Format: CD, Compilation
Country: Japan
Released: 1999

1 Enitokwa - Raw Point 1 6:29
2 Calm - 五月雨 (Samidare) 6:51
3 Bayaka - Rakuen #1 5:06
4 Junichi Suzuki - Sketch For Autumn 2:12
5 Why Sheep? - Even If You Wish Or Not 7:48
6 Enitokwa - Raw Point 2 6:10
7 Woodman - Virginal 8:32
8 Computer Soup - チムール 9:16
9 Buddha Stick Transparent featuring Something In The Air - Aomidori 4:53
10 Tribal Circus - トライバルサービス 6:23

ロスアプソン・山辺圭司氏のディレクションによるレーベル〈是空〉の第1弾タイトル。全9組の音楽家が「雨」を題材に各々の解釈でイマジネーションを拡げ、雨の降る光景や雨にまつわる情感を、エレクトロニックな手つきで詠み上げたチルアウト盤。静かな覚醒へと誘うヒプノティックな冒頭から、山水画を思わせる枯淡ダウンテンポ、ピローショット的な音風景、脳内をびしょ濡れにする民族アブストラクト、ふわふわと夢心地なミニマルループまで。アンビエント一辺倒に終始せず、サイケデリック、エキゾチック、音響、クラブジャズなどが混然となったアプローチで、描かれる雨脚の表情もまたとりどり。不思議と共通しているのは、音楽の辺境における「呼び名なきもの・形なきもの」を雨に投影しながら、瑞々しい生気と徒然とした寂れを同時に表現するような、ニュートラルな「雨の民」的感覚。一度没入するとほかの音楽を聴けなくなる沼のような魅力があり、やはり名作だなと思います。

The first release from the label Ze-Koo, directed by Keiji Yamabe of Los Apson. Across this chill-out album, nine musical acts expand their imaginations through their own interpretations of the theme of "rain," painting scenes of rainfall and its accompanying emotions through an electronic lens. The sonic spectrum spans widely: from a hypnotic opening that invites a quiet awakening, to understated downtempo tracks reminiscent of traditional ink-wash landscape paintings; from pillow-shot-like soundscapes and mind-drenching ethnic abstraction, to airy, dreamlike minimal loops. Rather than adhering strictly to ambient, the album weaves together elements of psychedelia, exotica, onkyo, and club jazz, depicting the ever-shifting expressions of the falling rain. What mysteriously unites these tracks is a neutral, "people of the rain"-like sensibility—one that projects the "nameless and formless" entities found on the margins of music onto the rain itself, simultaneously evoking both a vibrant vitality and a lingering, wistful desolation. It possesses an endlessly absorbing, hypnotic allure that, once you sink into it, leaves you unable to listen to anything else—reaffirming its place as a true masterpiece.

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2026年10月6日火曜日

Yuta Konishi - Nature Flow


Label: K-MUSICLIFE
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: Japan
Released: 2017

1 blu-er 7:47
2 On the Beach 7:04
3 Silent Serenity 9:06
4 Water Between Us 7:40
5 Nature Sound (River flow) 7:00
6 Infinity Moment 6:30
7 River Night 9:16
8 Silent Rain 18:01

石川県金沢市の郷土研究家であり、Web開発・映像制作・歴史研究を融合させた地域ブランディングを手がける小西裕太(Yuta Konishi)。自ら制作したバイノーラルマイクによる自然音の配信など、長年サウンドアーティストとしても活動する彼が、自主レーベルK-MUSICLIFEから発表した3rdアルバム。柔らかなエレクトロニクスとフィールドレコーディングを主体に、川の流れや雨音、水辺の静けさといった「水の時間」の移ろいを描く瑞々しいサウンドスケープ。吉村弘「Wet Land」を彷彿とさせる穏やかなタッチの「Water Between Us」「Infinity Moment」「Silent Rain」、エスニックな趣が空想の旅へと誘う「Silent Serenity」など。環境音楽やニューエイジが再検証される前にあったピュアな感性と、2000年代チルアウトのエッセンスが程よくブレンドされていて、聴いていると3.11以前の風景や肌感覚がふと蘇るような懐かしさを覚えます。「Oto No Wa: Selected Sounds of Japan 1988-2018」の系譜にも連なる、水をめぐるネイチャー・アンビエントの好作です。

Based in Kanazawa, Ishikawa Prefecture, Yuta Konishi explores local history and engages in regional branding that blends web development, video production, and historical research. Having long been active as a sound artist—distribution of nature sounds captured with self-built binaural microphones being one such initiative—this is his third album, released through his independent label K-MUSICLIFE.
Centered on soft electronics and field recordings, the album traces the subtle shifts of “water time”—the flow of rivers, the sound of rain, and the quietness of waterside environments—through a fresh and delicate soundscape. “Water Between Us,” “Infinity Moment,” and “Silent Rain” have a gentle quality reminiscent of Hiroshi Yoshimura’s Wet Land, while the ethnic touches of “Silent Serenity” evoke a sense of an imaginary journey.
There is a pleasing blend here of a pure sensibility from before ambient and New Age music began to be revisited, and elements of 2000s chill-out. Listening to this album, I find myself quietly recalling the landscapes and sensations of the pre-3/11 era. Another work in the lineage of Oto No Wa: Selected Sounds of Japan 1988–2018, it is a fine nature ambient work centered on water.

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