2019年10月30日水曜日

[249] Botanica - Arboretum


Label: -
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: Poland
Released: 2019

1 Arecaecae 6:49

2 La Manzanera 5:11
3 Lutowiska 6:00
4 Merigar 7:30
5 Przystań 10:00
6 Solano 7:50
7 Tegnérlunden 7:59
8 Tukany na tropie 5:01
9 Tumy 4:14

「ボタニカルアート」などで耳馴染みのある「ボタニカ」とは、イタリア語で「植物」のこと。ポーランドのDJ/プロデューサーMaciej Maćkowski(マチェイ・マッコウスキ)によるBotanicaは、その名の通り、熱帯雨林や植物園、自然の音・ビジュアルに焦点を当て、それらのイメージをダブテクノ〜ハウスなどエレクトロニック・ミュージックのフォームに落とし込んだディープなサウンドを探求するプロジェクト。今年5月にバンドキャンプを通じてリリースされた「Arboretum」は、彼が過去3年間にポーランド、スウェーデン、スペイン、スロバキアなど各地を訪ねて採取したフィールド・レコーディング音源とファウンドサウンドを軸に、シンセシスを駆使して作り上げた初のフルレングス作品。「植物+エレクトロニクス」という組み合わせから連想できる密林エスノではなく、ミストを全身に浴びながら濡れた地面の上を歩くような、全編ひんやりとした感触をもつアンビエント・サウンドに貫かれています。各トラック名はおそらく音を採取した土地の名に由来。昨年3月のBandcamp Dailyの記事「Music for Plants」とあわせて。



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[related]
アルバムのリリースと時を同じくしてワルシャワのラジオ番組kolekcjeのサウンドクラウドで公開された1時間のアンビエント・ミックス。


2019年10月28日月曜日

[248] Kensuke Mitome & Gota Wakabayashi - Selene Museum Moon Forest


三留研介 & 若林剛太 - セレネミュージアム・ムーンフォレスト
Label: セレネ美術館
Catalog#: SELENE1-3
Format: CD, Album
Country: Japan
Released: 1993

1 一滴の春 5:13

2 月の道標 4:24
3 水の回廊 4:23
4 月の鏡 4:57
5 雲の信号 4:53
6 緑の迷宮(ラビリンス) 4:06
7 星の船 5:08
8 月の女神 6:15
9 瞬間(とき)の記憶 5:02
10 夢の静寂(しじま) 6:09
11 永遠の午後 6:07
12 光の扉 5:03

箱根彫刻の森美術館のCMにおけるジョージ・ウィンストン「あこがれ/愛」、または「心の美術館」「ヒーリング・ギャラリー」といったシリーズタイトルなど、80-90年代のニューエイジ・ミュージックと静かなアートスペースのもつイメージの結びつきには、不思議と心ときめくものを感じます。このCDは、富山県の温泉郷・宇奈月温泉に佇む黒部市宇奈月国際会館・セレネに併設された「セレネ美術館」で実際に使用されているオリジナルBGMを収録したもの。黒部峡谷の厳しく美しい自然の姿を世界・未来へと伝えることを基本理念に定め、平山郁夫や塩出英雄といった現代日本画壇を代表する7名の作家と美術館が一体となって創作展示した絵画作品の数々──、それらと共振するように、このBGMもまた黒部の大自然が織りなす四季折々の情景を淡いタッチのシンセサイザーで表現しています。ブックレットには慎ましやかな紹介文と水辺の風景画などの図版が数点。それらをぼんやりと眺めながらファンタジックな音色に耳を傾けていると、色や形に内在するメッセージを受け取ったり、静止した世界に思いを巡らしたりという絵画鑑賞の楽しみが静かに伝わってくると同時に、空想の黒部へと旅心を誘われます。作者は、音楽制作会社スイッチに所属し、駅発車メロディを手掛ける作曲家コンビ=三留研介と若林剛太。製作は北日本放送の子会社ケイエヌビィ・イー。


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2019年10月11日金曜日

[247] Ernest Hood - Neighborhoods


ライナーノーツを担当させていただいたアーネスト・フッドのアルバム「ネイバーフッズ」の日本国内仕様CDが本日10月11日に発売になりました。アーネスト・フッドは米オレゴン州ポートランド生まれの音楽家。元々はジャズ・ギタリストとしてチャーリー・バーネット楽団などのメンバーとして活動されていましたが、20代後半に病に冒されジャズの一線を離れてからは、テープレコーダーを携えて街中を巡り、人々の何気ない日常の会話や風景音を集めることに力を注ぐようになりました。約20年にもわたるフィールドワークの集大成として制作されたこの「ネイバーフッズ」。環境音のコラージュにシンセやツィターの演奏を織り交ぜながら、作者が幼少期に体験した夏の日のサウンドスケープを1日の時系列に沿って表現した、夢のようなノスタルジアに満ちたドキュメンタリー作品となっています。オリジナルのリリースから44年。今回初めて〈リヴェンジ・インターナショナル〉のサブレーベル〈フリーダム・トゥ・スペンド〉によりヴァイナルとCDでリイシューされました。


happy to announce that I have written the liner notes for the Japanese edition CD of Portland, Oregon based Jazz musician Ernest Hood's musical cinematography album "Neighborhoods", reissued by Rvng Intl. sub-label Freedom To Spend.



米Pitchfork『ベスト・アンビエント・アルバム TOP50』に選出された75年激レア盤が初再発
帯ライナー付国内盤仕様 解説:藤井友行