Catalog#: 12
Format: Vinyl, LP, Album
Country: US
Released: 1979
DISCOGS
A Big Room 34:02
B1 Circle Song 3:14
B2 Double Sound 4:28
B3 Doppler Piece 3:36
B4 Long Note 4:20
B5 Keys Sound 1:15
B6 Bonnie And Jeff 2:34
B7 Moku Gyo 5:17
60年代から光と音の波(リズム)に着目し、その干渉パターンを視覚化させたレーザー・アートやホログラフィ作品を制作したデトロイト出身の現代美術作家/サクソフォン奏者Peter Van Riper(ピーター・ヴァン・ライパー)が、自主レーベルVrbluから出版したLPの1枚で、主にサクソフォンを使った自作曲の演奏を収録した79年作。
A面は、オックスフォード現代美術館で行われた舞踏家Simone Forti(シモーヌ・フォルティ)との共同パフォーマンスの記録で、辺りを演舞するFortiの鈍い跫音や物音が響く中、Van Riperのソプラニーノ、やわらかなドローンを生み出すブルローラー・ホースが、天井の高い会場の反響音と相互干渉する34分間。B面前半は、ミルズ大学内現代音楽センターで行われたSimone FortiとTerry O'Reillyとの即興セッションで、"Doppler Piece" は一定のピッチを保ちながら演者と聴者の距離を変えてゆくドップラー効果に焦点をあてたもの。後半は、サンフランシスコ近代美術館でのライヴ・パフォーマンスで、インドの伝統楽器シャハナーイのマウスピースを使い動物の雄叫びにも似た奇音を発する "Long Note"、吹かずにキーを叩く "Keys Sound"、木魚による反響遊戯 "Moku Gyo" といった様々なアイデアを提示。響きの物理的な現象へ知覚を拓く空間全体を使ったプレゼンテーションは「サウンドアート・パフォーマンス」というべきもので、ここで特殊な奏法で試みられている脱西洋/音響志向は、金属製バットを使ったベル/ガムラン風演奏「Acoustic Metal Music」などへ発展していきます。
Riperは極東アジア史と西洋美術の博士でもあり、ツアーを盛んに行っていた70年代には東京大学大学院に在籍していたとのこと。1974年に日本で「逆転 change」という音とビジュアルのパフォーマンスを行った記録が残されています。
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Acoustic Metal Music/Laser Light Silhouettes, 1984-1994
Hologram, 1970s
[related links]
Continuo's weblog | Peter Van Riper – Sound To Movement
Rhizome | Peter Van Riper: Between Holography and the Avant-Garde