2016年8月11日木曜日

[065] Julio Pimentel - Kriya Instrumental


Label: -

Catalog#: -
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Brasil
Released: 1992-93?

A1 Chá 5:34

A2 Bambú 5:37
B1 Gersal 4:49
B2 Banho De Césio 6:25
B3 Vinheta 2:10

身体を使って音を出すボディビートボックスのワークショップや、打楽器アンサンブルとして活動しているオランダ・ロッテルダム在住のピメンテル一家=Kriya Familia(クリヤ・ファミリア)。その一人、8歳の頃に活動をはじめた息子Julinho(ジュリニョ)ことJúlio César Hagen Pimentel(ジュリオ・セサー・ハーゲン・ピメンテル)は、ジャグリングボールを打楽器のように操りながらリズムを刻むジャグリング・アーティストで、若きリーダー的存在。彼らがコンサートの成功を機にオランダに移住したのが2001年。その以前はブラジル・リオデジャネイロ隣の町ニテロイを拠点に、陰陽思想に基づく玄米菜食や自然療法を実践し、ヨーガやダンス、音楽を勤しむコミューン的規模の創作生活を送っていました。その一家の支柱が、Julinhoの父親であるJúlio César Pimentel(ジュリオ・セサー・ピメンテル)。本作「クリヤ・インストゥルメンタル」は、マルチ奏者である父Júlioが作曲・コンセプト・振り付けを主導し、馴染みのジャズ・プレイヤーたちと録音した自主制作盤。8人兄弟の写真の中に1-2歳のJulinho(90年生まれ)の姿が写っているので、おそらく92-93年頃のリリースと思われます。父Júlio以外の主なメンバーは、Geraldo Brandãoがシンセ、Ezio Filhoがベース、Marcelo Martinsがサックスとフルート、Caetano Rotundoが打楽器という編成。水甕のヒタヒタとした音が響く "Chá" は、代謝を整え病気を治すために彼らが飲むハーブティのこと。玄米食に欠かせない胡麻塩を作る "Gersal" は、胡麻を炒るチリチリという音にはじまり、小刻みに打ち鳴らされるコンガ・ボンゴ、乳鉢を搗くリズム、ガスボンベの金属音。"Banho De Césio"(セシウムのお風呂の意)は、放射性廃棄物用の黄色いドラム缶を再利用したお風呂を叩く音、南インドの太鼓ムリダンガム、子ども達の声やバシャバシャという水の音クリヤ・ファミリアの生活に息づく様々な音を使い、その理念をパーカッシヴなエスニック・ジャズで表現した、迸るような生命感を放つ作品です。


...