2017年10月17日火曜日

[155] Kevin Braheny Fortune - Lullaby for the Hearts of Space


Label: Hearts Of Space Records

Catalog#: 2-HOS-11431
Format: CD, Album
Country: US
Released: 2017 (1980)
DISCOGS

1 Lullaby For The Hearts Of Space 35:24

2 After I Said Goodnight 33:12

元建築家のプロデューサーStephen Hill(スティーブン・ヒル)が、1973年にカリフォルニア州バークレーのラジオ局KPFA-FMの深夜番組としてスタートさせた「Hearts Of Space」。当初は現代音楽を中心とする選曲だったそうですが、やがてシンセサイザー・ミュージック、民族音楽、コンテンポラリー・ジャズなどを織り交ぜた、アンビエント専門番組の先駆けともいうべきカラーを持つ番組として人気を確立。83年の独立後はシンジケーション市場において全国200もの放送局に番組販売するほど成長を遂げ、84年設立のレーベル部門とともに米ニューエイジの潮流「スペース・ミュージック」の隆盛に大きな影響を与えました。そのシーンを先導した作曲家Kevin Braheny Fortune(ケヴィン・ブラエニー・フォーチュン)のファーストアルバムには、78年頃にKPFA-FMのスタジオから番組内でライブ放送されたタイトルトラックがフィーチャーされています。ニューエイジ音楽の巨匠として知られるブラエニーは、75年にムーグ・シンセシスの先駆者Malcolm Cecil(マルコム・セシル)を通じてSerge Tcherepnin(サージ・チェレプニン)に会い、サージ社のプロダクションに関わりながら、高度にカスタマイズされたモジュラーシンセ=マイティサージを構築。彼の音楽の多くはこのマイティサージの音に特徴付けられています。#1は、アブストラクトかつ繊細に表情を変えながら波打つマイティサージの即興演奏にソプラノ・サックスのパートが重なる、穏やかでイマジネイティヴなロング・ジャーニー。続く#2は、瞑想のワーク=コンティニュアム・ムーブメントの創始者Emilie Conrad(エミリー・コンラッド)のクラスで行われたライブ・パフォーマンス。コオロギとジャングルのフィールド録音、自身の声、小さなベルの音のテープループを使った、より実験的なアプローチがとられています。オリジナルはブラエニーのプライベート・レーベルHeartcall Musicから80年にリリースされ、91年にHearts of Spaceからカセットテープで再発されましたが、その後作者の意向により追加コピーされず長い間廃盤になっていた本作。ファンの声に後押しされるようにCD化が起案されてから10年以上、マスターテープの紛失によるいくつかのテープからの復元作業を経て、今年ようやくリマスター再発が成就したとのことです。


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