2026年11月5日木曜日

L. Pierre - Surface Noise


Label: Melodic
Catalog#: MELO 087
Format: Vinyl, 10"
Country: UK
Released: 2013

A1 Movement I 2:32
A2 Movement II 0:52
A3 Movement III 2:19
A4 Movement IV 3:11
B1 Movement V 1:26
B2 Movement VI 6:10

スコットランドのインディロックバンドArab StrapのボーカリストAidan Moffat(エイダン・モファット)が、ソロプロジェクトL. Pierre名義で発表した10インチ盤。レコードというメディアそのものへのオマージュを込め、経年劣化した古いオーケストラ音源から抽出したチリパチ音や短いモチーフのループを幾重にも重ね、淡い霧を編むように構築されたインストゥルメンタル/コラージュ作品。認知症の進行具合をトレースしたThe Caretaker諸作にも通じる作風ですが、本作における曖昧で儚い感覚は、記憶の崩壊や不穏さよりも、ささやかな個人の痕跡を愛おしむような人肌の温かみあるノスタルジア。ヒスノイズやクラックルノイズはさながら薄淋しく降る雨の風情で、聴いているとモノクロ映画の一幕を思わせる情景が静かに喚起されます。

"Lucky" Pierreの音楽的な素養は、3歳の頃、スコットランド中部ファルカーク地区の静かな村キャメロンにある家族のアパートで育まれ始めた。1970年代半ばの湿っぽく肌寒い朝、祖父と食事をしていた幼い彼は、安っぽく音のこもったラジオから流れてきた歌に深く心を動かされたという。Julie Covingtonによる「Don't Cry for Me Argentina」の歌唱には、当時のPierreにはまだ理解できないほど、何か非常に強い力が宿っていた。この偶然の出会いが、ドラマ性やストリングス、そして美しいものを追い求める生涯にわたる探求へとつながっていく。その後、ソングライティングやパフォーマンス、さらには多種多様な感情的刺激をめぐる試行錯誤の時期を経て、実に24年後、新世紀最初の年に、こうした情熱の最初の結実となる作品を発表。「Pierre's Final Thought」という皮肉めいたタイトルが付けられた作品である。(ライナーノーツより)

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