2013年9月21日土曜日

[765] Bernie Krause - The Great Animal Orchestra

Little Brown, 2012

地球上の様々な自然界の音をアーカイヴする生態音響/サウンドスケープ研究組織「Wild Santuary」の設立者であり、作家/学者として活動するBernie Krause(バーニー・クラウス)。研究をまとめた2012年の著書「The Great Animal Orchestra: Finding the Origins of Music in the World's Wild Places」の日本語訳本が、この10月にみすず書房より刊行。
ジャズのセッションプレーヤーとして50年代より音楽活動を始め、60年代には電子音楽家としてムーグシンセサイザー開発へ参加。70年代にはエスニックなソロ作の他、Paul BeaverとのデュオBeaver & Krause名義では、後のエコロジカルな音響研究への足がかりとなる、自然風景を描写した電子ニューエイジ路線へ。博士号修得後は、自然音アーカイヴ/研究に専念し、Wild Sanctuary Music/The Nature Companyよりフィールドレコーディング作品(Soundscape Albums)、自然音と器楽で構成された風景音楽作品(Music & Soundscape)、民族音楽作品(Native Voices)など多くの資料/作品を残しています。
生物と環境がつくる音響の意味を説き明かす。
[著者] バーニー・クラウス  [訳者] 伊達淳  [出版社] みすず書房

序章 過去からの残響

第一章 わたしを導く音
第二章 大地の声
第三章 生命そのものが音を編成する
第四章 バイオフォニー 原始のオーケストラ
第五章 初めての音
第六章 異なる民族、異なる鳴き声
第七章 ノイズの霧
第八章 ノイズとバイオフォニー 水と油
第九章 コーダ──希望

本の中で取り上げられている音風景は特設ページで試聴できます

listen sounds: Sounds to Accompany the Book
http://orchestra.msz.co.jp/

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動物の音声は、ほかの生物音が織りなすシンフォニーに呼応しながら進化したが、
同時に、風や水の音(クラウス氏はgeophonyと呼んでいる)にも関連して進化したと、同氏は考えている。

TED Talk: The Voice Of the Natural World (June, 2013)