2016年9月30日金曜日

[080] Eden Rock - Midsommarnatten Mix


Test PressingNoise In My Headディスコ〜AOR〜ソフトロックを中心とした甘くメロウなミックスで参加している、ストックホルム在住のAlbin Lindström(アルビン・リントシュトロム)によるDJプロジェクトEden Rock。今年6月に自身のサウンドクラウドで公開された1時間のミックス「ミドソマルナテン(真夏の夜)」は、レギュラーのセットから趣を変え、おそらく大半がスカンジナビア産のレコードから、フォーク〜ジャズ〜ニューエイジに焦点をあてたオーガニックなアンビエント・セット。

Eden Rock (Stockholm, Sweden)

2016年9月25日日曜日

[079] Vangelis Katsoulis - Back to Minimalism


Label: Utopia

Catalog#: 1017
Format: Digital, Album
Country: Greece
Released: 2015
BUY

1 Contrasts (feat. Anna Linardou) 18:36

2 The Transformations of Green (feat. Apostolis Anthimos & Thymios Papadopoulos) 17:26
3 Blue Point 4:04
4 Siena 18:51
5 Indolence (feat. Apostolis Anthimos) 4:15

ギリシャ産エレクトロニック作品を発掘するInto The Lightによる編集盤を機に、バレアリック方面からの新たな注目を集め、自身のレーベルUtopiaを再起させた、アテネ出身の作曲家Vangelis Katsoulis(ヴァンゲリス・カツォウリス)。ECMをはじめとするユーロジャズやクラシックを原点に、シンセ・シンフォニー、オペラ、映画、バレエのための音楽、室内楽、合唱曲に及ぶ多数の作品を手掛けるカツォウリスが、70年代の終わり頃から80年代にかけて作曲の基軸としていたミニマルな作風へ回帰した2015年作。ヴォーカルにAnna Linardou(アンナ・リナドウ)、ギター/ベースにApostolis Anthimos(アポストロス・アンシモス)、サックスには
Utopiaレーベルの共同創立者でもあるThymios Papadopoulos(シミオス・パパドポロス)が参加。それぞれアプローチの異なる5曲中、ハイライトとして挙げたいのが6つほどのセクションで構成される17分半の#2 "The Transformations of Green"。 サンプルはその導入部からの抜粋。シンセによる木管・マリンバ系の柔らかな音色のシーケンス、リズムを強調しつつスムースなメロディを重ねるギターとサックスが、全体のリズムやグルーヴを維持しながら流れるようにセクションを繋ぐライヒ的ミニマリズムの発展形。傑作 "Minimal Suite/Double Image" のさらに上をゆく出色のナンバーです。


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[related]
Minimal Suite / Double Image - Remastered (2014)

Upcoming LP: If Not Now When (October 2016)

2016年9月22日木曜日

[078] Carl Stone - Electronic Music from the Seventies and Eighties


Label: Unseen Worlds

Catalog#: UW15
Format: Vinyl, LP, Album
Country: US
Released: 2016
preorder

A1 Sukothai (1977) 14:31

B1 Shing Kee (1986) 15:37
C1 Dong Il Jang (1982) 20:59
D1 Shibucho (1984) 18:56
E1 Kuk Il Kwan (1981) 28:44
F1 LIM (1974) 12:26
F2 Chao Praya (1973) 07:33

アメリカの作曲家カール・ストーンの
初期作品集。この3枚組LPは、6曲の未発表曲と、New Albionから1992年に発表されたCD「Mom’s」収録曲 "Shing Kee" の全7曲で構成されている。捕らえどころのない録音 "Sukothai" "Shibucho" "Dong Il Jang" は、70年代ニューヨークのロフトシーンの衰退から、80年代のコマーシャルな状況に移り変わる過渡期に、ストーンがいかに巧みに彼の芸術性を進展させたかを例示している。それらは、ライブ・パフォーマンス・システムによる作曲への野心のみならず、ポップの知識、商業的自殺、同時に技術的・美的な先見性、双方の欲求を満たしている。1981年ザ・キッチンでのライヴ・パフォーマンス "Kuk Il Kwan" は、現在のコンピューター駆動の作曲方法に繋がっている。最初期の楽曲 "LIM" "Chao Praya" は、彼がカリフォルニア芸術大学でジェームズ・テニーとモートン・サボットニックの下で学んでいた70年代初期にBuchla 200でリアライズされた。彼の作品では珍しく純粋な電子音源が使われている。ライナーノーツは、カール・ストーン、ジョナサン・ゴールド、マーク・ワイデンボーム(Disquiet)。マスタリングとカッティングはラッシュド・ベッカーによる。


「1980年代カリフォルニアから表れた偉大な作曲家カール・ストーンは、スパイクヘアのパンクスとポニーテールヘアの大学院生のために、日頃ナイトクラブやコンサートホールで演奏していた。彼のエレクトロアコースティック・ブリコラージュは、月曜日のイブニング・コンサートに集まるブルーヘア(白髪を薄青く染めた)の人々よりも、ジャズ・ミュージシャン達の間でよく知られていた。」 - ジョナサン・ゴールド 


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[related]

The Wire: Listen to sample workouts from the archive of Carl Stone
Disquiet: Liner Notes on Early Carl Stone
VAN Magazine: Synthesis - An Interview with Carl Stone (Sep 2016)

2016年9月18日日曜日

[077.1] Emotional Rescue

originally released on Raviol Records in 1985

Vox Populi! - Aither [ERC030]
originally released on V.I.S.A. in 1989


 Ramuntcho Matta - Écoute​.​.​. [ERC031]
originally released on Cryonic Inc. in 1986

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simplified fine cover art of reissue works by UK label Emotional Rescue

2016年9月17日土曜日

[077] Thirteen Moons - Origins


Label: Wire Records
Catalog#: WRLP 004
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Sweden
Released: 1987

A1 Origins 4:07
A2 Mowgli And Baloo 4:30
A3 T As In Togetherness 2:53
A4 Milkyway 3:03
A5 Boundaries, Blow Away! 1:06
B1 Suddenly One Summer 3:30
B2 Undercurrent 4:00
B3 As The Dreams Meet The Soil 3:52
B4 The Good Ones Go First 1:40
B5 La Lumière 2:39

ギター/ベースのAnders Holm、元ドラムでヴォーカルのGöran Klintberg、サックスのMats ”Magic” Gunnarsson、それぞれ70年代後期からポストパンク・シーンで活動していた3人を中心に84年に結成。室内楽、ブルース、ジャズを織り交ぜた独自のポップサウンドを作り上げたスウェディッシュ・グループThirteen Moons(サーティーン・ムーンズ)。93年の解散までの活動期間に、ストックホルムのインディペンデント・レーベルWire Recordsから発表した3枚のアルバムのうち、この「Origins」は87年のセカンドアルバム。3人の各パートに加え、シンセ、フリューゲルホルン、ストリングス、バックコーラスをサブメンバーに迎え、80年代イギリスのネオアコースティック派と90年代アメリカのインドアポップを結ぶ、旧き時代への郷愁と幻想に彩られたリリカルな
オーケストラル・サウンドを全編に渡って展開しています。Maurice Deebankを思わせるHolmの朴訥としたギターによるインスト曲 "Milkyway" は、静かな夜のイメージ。インタールード的な短いインスト曲ですが、このアルバム全体に漂うメランコリーと繊細さを象徴するような一曲だと思います。

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2016年9月14日水曜日

[076] Green Music




Green Music
水を張った陶器のボウルとハイドロフォンを使い、水のもつ様々な音色や質感を奏でるパリ在住の作家Tomoko Sauvage(トモコ・ソバージュ)。ポスト・インターネット的な鋭感でゲーム音楽などの素材をエディットした亜空間コラージュを生み出すイタリア出身ベルリン在住の作家Francesco Cavaliere(フランチェスコ・カヴァリエーレ)。「Green Music」は、この2人のサウンドアーティストが、フルクサス作家Henning Christiansen(ヘニング・クリスチャンセン)の作品「Musik als grün」(1974年)を再解釈し、植物・セラミック・ガラス・カセットなど緑色のオブジェクトのみを用いたパフォーマンスとインスタレーションで展開されるという、現在進行中の新しいプロジェクト。ブリュッセルのワークスペースQ-O2での滞在制作を経て、12月にパリの会場でプレゼンテーションが行われるとのこと。現在、2つのトラックがサウンドクラウド上で公開されています。

2016年9月13日火曜日

[075] Michael Bierylo - Life Line


Label: Inner Light Records

Catalog#: IL-1105
Format: Vinyl, LP, Album
Country: US
Released: 1986
DISCOGS

A1 Recurrence 6:50

A2 Life Line 4:51
A3 Reasons 4:23
A4 Backward Glance 4:00
B1 Time Enough 5:56
B2 Ask Yourself 4:50
B3 Decisions 4:43
B4 Love Lets Go 5:30

バークリー音楽大学でエレクトロニック・プロダクション・デザイン学科の教授を務める、デトロイト出身のギタリスト/サウンドデザイナーMichael Bierylo(マイケル・ビエリロ)。ミシガンのニューエイジ系レーベルInner Light Recordsから86年にリリースされた、ソロ名義では唯一のアルバム。夏の記憶として。


bio. Originally from Detroit, Bierylo's early musical education came from a wealth of encounters ranging from Contemporary Composition with William Bolcom at the University Of Michigan to a misspent Summer playing Union halls with Motown sidemen. Further enlightenment followed under the tutelage of Guitar Pedagogue Jon Damien and Composer Michael Gibbs at Boston's Berklee College Of Music. Upon graduation (yes a BM.........) Bierylo spent most of the Reagan years in the wild and woolly Boston Rock scene. During this time, an ongoing interest in technology and introspection yielded two nationally distributed solo recordings, Lifeline and Cloud Chorus. 
The 1990s brought new directions with tenure in Ibrahima's World Beat, documented on the release Sama Yie as well as a foray into eclectic improvised music with Packing For Egypt. In 1991, Bierylo replaced founding member Martin Swope in Birdsongs Of The Mesozoic. Mr. Bierylo is currently an Associate Professor of Music Synthesis at Berklee College of Music. His project studio, Virtual Planet, has been the source of music and sound design for numerous Film, Video and Multimedia projects over the last several years, serving clients such as Hasbro Interactive, Nintendo and Nickelodeon. A recent project with Olive Jar Animation Studios yielded music and sound design for Universal Studios Island Of Adventure. The studio continues as a laboratory for ongoing research. Mr. Bierylo lives at home (not his studio) with wife, child and 3 cats in lovely Brighton, Massachusetts.


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2016年9月11日日曜日

[074] Robert Newcomb - On Time


Label: Alfred & Rose Music
Catalog#: NEWCOMB100D
Format: CD, Album
Country: US
Released: 1991
BUY

1 Return of the Ancient Children 20:07

2 Redbirds 21:36
3 Measured Breath 20:57
4 Bonsai 7:29

銀行・証券システムの設計と開発、大学のITディレクターやプログラムマネージャーなどのキャリアを経て、現在はミシガン大学図書館内デジタル・メディア・コモンズ(デジタル機器を備えた共有スペース)のアソイエイト・ディレクターを務める傍ら、作曲・演奏活動を続けているアナーバー出身のギター/シタール奏者Robert Spalding Newcomb(ロバート・スパルディング・ニューカム)。ジャズやブルースを起点とするクラシカルギターに過度なエフェクトを施した前作「Dreams On Queue」の、真夜中の淵を思わせる奇態な音像とは対照的に、自身のコンピューター・ソフトウェアによる、明るくクリアなMIDIコンポジションを収録した91年のセカンドアルバム「On Time」。即興的なパッセージと3つの異なる長さのループが複雑に重なり合うアンビエント#1。MIDIコンバーターK-muse Photonを使い、旧来の即興をエレクトロニックなサウンドに置き換えた#2。東洋的スケールの反復がゆったりと天に昇ってゆく#3は、Leslie Kaminoff(レスリー・カミノフ)のヨガレッスンのために、身体の動きや呼吸のサイクルにあわせて作曲されたもの。12年間住んだニューヨークを離れてニューハンプシャーで作曲された#4は、「聴覚障害者のためのアメリカン・ダンス・シアター」に向けたリズミカルなナンバー。ビジュアルアート・生体工学・数学・バスケットボールの戦略・気象パターンなどから閃きを得て、コンピューターによる作曲システムと即興の可能性をパーソナルなスタンスで探求したNewcombの挑戦的姿勢を示すように、穏やかでありながら耳新しさを感じさせるニューエイジのネクスト的作品。


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[related]
Synopsis: selected compositions from Music in The Air 1975-1997 (Partial Music, 2000)

Dreams On Queue (Arsyn, 1985)

2016年9月9日金曜日

[073.1] em:t


compilation CDs released by UK ambient label em:t (1994-1998)
lovely animal-themed covers designed by The Designer's Republic
www.emit.cc

2016年9月8日木曜日

[073] Ethimm - Two mixes


自らのサウンドを即興と反復の間に振動するテンション・サウンド」と表す、スイス・チューリッヒのダブテクノ/トリップホップ・デュオETHIMM=Elisabeth Thimm(エリザベス・ティム)+Brian Gimmel(ブライアン・ジンメル)による2つのミックス。1つ目は、9月にセカンドEP「When in dark」のリリースを控えるレーベルLight of Other Daysのポッドキャスト・シリーズより#11。2つ目は、地元のDJやレーベルを発信するラジオ局GDS.FMのプログラム「STUDIO GDS IN DER BURG」のアーカイヴより、7月13日放送のミックス+Thimmのトーク。Necks、Daniel Lanois、Portisheadなど、仄暗く美しいジャズ/アンビエント/トリップホップのセレクション。

ETHIMM is the project of Elisabeth Thimm and Brian Gimmel. The sound that they call «tension music» oscillates between repetition and improvisation, merging Thimm's dance floor rooted synth and sampler patterns with Gimmel’s piano improv. Be prepared to be confronted with blissed out memories of Berlin’s Dub of the 1990s, ECM style Jazz excursions and the remains of the abyss that is Trip Hop.


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2016年9月4日日曜日

[072] Hal Rammel - Like Water Tightly Wound


Label: Crouton
Catalog#: crou034
Format: Vinyl, 10"
Country: US
Released: 2007
DISCOGS

A On Balance Scattered 8:41

B Like Water Tightly Wound 10:08

ジャズ/フリー・インプロヴィゼーションのフィールドで70年代から活動する、ウィスコンシン在住の作曲家/ビジュアル・アーティストHal Rammel(ハル・ランメル)の自作楽器による演奏を収めた10インチ盤。「サウンド・パレット」または「アンプリファイアド・パレット」と呼ばれるこの楽器は、画家が使用する木製パレットにランダムに配置された無数の金属棒、それを弓やマレットで叩いたり擦ったりすることで音を発する、カリンバとチェロの変異形ともいうべきもの。コンタクトマイクを通じて微かな音も増幅され、弓奏では獣の威嚇を思わせる強く鋭い音、マレットを当てると弾むような不規則なリズム──奏法によってギターやサックスの即興演奏にも近い多様な音色とテクスチュアを引き出しています。Bart Hopkin(バート・ホプキン)編集の特殊楽器専門紙によると、Rammelがパフォーマンスに使っていたミュージカルソウ、トリオリン、エアロリン、ウォーターフォンの演奏経験を踏まえ、Tom Nunn(トム・ナン)のエレクトロアコースティック・パーカッション・ボード、Hugh Davies(ヒュー・デイヴィーズ)のショーザイグ、Victoria Chaplin(ヴィクトリア・チャップリン)の劇中に登場する楽器から着想を得て、それらの性能を片手で持つことができるサイズで実現すべく、新しい楽器をデザインしたとのこと。91年の完成から25周年の節目となる今年は、楽器製作の軌跡を綴ったブックレット+2CD「The Amplified Palette: A History in Pictures」が、Rammel主宰のレーベルPenumbra Musicから出版されています。


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