2018年10月16日火曜日

[224] Gordon Hempton - Silence and the Presence of Everything



米ミネアポリスの独立非営利組織On Being Studiosが運営するラジオ番組のアーカイヴより。騒音制御プロジェクトOne Square Inch of Silenceの創設者であり、Miramarの自然音シリーズをはじめ、現在まで60以上ものサウンドスケープCDを制作・発表してきた著名プロデューサーGordon Hempton(ゴードン・ヘンプトン)の特集「サイレンスとすべての存在」。

「サイレンスは絶滅の危機に瀕しているとゴードン・ヘンプトンは話します。 彼は本当の静寂を存在感として定義します。音の不在ではなく、騒音の不在。 彼が知るように、地球は "太陽光駆動のジュークボックス" です。 クワイエットとは "魂のシンクタンク" です。 私たちは彼の耳で世界をとらえます。」

2018年10月9日火曜日

[223] Atlantis - Paradise


Label: Apollo

Catalog#: APOLLO 2
Format: Vinyl, 12", EP
Country: Belgium
Released: 1992
DISCOGS

A  Paradise Part 1 (Chill Out Version)  10:31

B  We Came In Peace (Armstrongs Message)  6:41

ドイツにおけるハウス・ミュージックの礎を築いたDJの1人と評されるHeinz Felber(ハインツ・フェルバー)と、フェルバーと共に複数の名義で活動し、多くのクラブヒットを放ったプロデューサーMichael Rödiger(ミヒャエル・オーディガー)。この2人のプロジェクトAtlantis(アトランティス)が、92年にベルギーの名門Apolloからリリースした唯一の作品。ZENライクな尺八をフィーチャーしたA面 "Paradise Part 1" は、翌年のレーベル・コンピレーション「Apollo 1」にも収録されたチルアウトの名トラック。「チルアウト」というと、90年代後期以降はダウンテンポ〜ラウンジが典型となり、現在ではリラクゼーショナルなムードを持った音楽全般を指すものになっていますが、90年代初頭は単なるリラックス、クールダウンさせる音楽ではなく、レイヴの狂乱と並行して存在する仮想世界へのトリップを促すサイケデリック〜スピリチュアル・ミュージックとしての側面が強かったのだろうと思います。下の動画は、Atlantisのほか、Silence (Pete Namlook and Dr. Atmo)、Aphex Twin、The Orbらの曲を収録した、ベルリンのヴィデオ・レーベルStud!o K7の映像作品「3 Lux-3」。


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[related] 3 Lux-3 - A Journey Through Ambience (1993)

2018年10月7日日曜日

[222] Bartosz Kruczyński - Selected Media 2016-2018


Label: Emotional Response

Catalog#: ERS040
Format: Vinyl, LP, Album
Country: UK
Released: 2018

A1  I

A2  II
A3  III
A4  IV
A5  V
A6  VI
A7  VII
B1  VIII
B2  IX
B3  X
B4  XI
B5  XII
B6  XIII
B7  XIV
B8  XV

Earth TraxやPejzażの名義でディープハウス作品をコンスタントにリリースする一方で、「Baltic Beat」以降は影を潜めていたBartosz Kruczyński(バルトシュ・クルシェンスキ)のクワイエット・サイド。実際は、この数年間ポーランドの国営テレビ局Telewizja Polska SAの芸術・映画・文化専門チャンネルTVP Kulturaのサウンド・デザインに従事していたといい、そのコラボレイティヴ・ワークスの中から選ばれた15曲が、英Emotional Responseから新作アルバムとしてリリースされることがアナウンスされています。レーベルによると、これらの曲はフリー・アーティスティック・ライセンスのもとで管理され、これまでMagdalena Abakanowicz(マグダレーナ・アバカノヴィッチ)、Miroslaw Balka(ミロスワフ・バウカ)、Tadeusz Kantor(タデウシュ・カンター)、Enrico Prampolini(エンリコ・プランポリーニ)、Ai Weiwei(アイ・ウェイウェイ)、Monica Bonvicini(モニカ・ボンヴィチーニ)といった国内外の現代美術家のためのプログラミングに採用されたとのこと。「Baltic Beat」や「Schleißen 2」にも通じる木管楽器アレンジによるミニマル・ミュージックから、第四世界音楽、アトモスフェリックなダブテクノまで、彼がメディアの裏方として手掛けてきたアンビエント・ワークスの集成としてとても楽しみな一枚です。リリース予定日は11月26日。


Emotional Response is delighted to present a special project, a collection of music from Bartosz Kruczynski, recorded for "Selected Media" and presented here as a time-piece of his continuing works. Initially known as one half of sample based project Ptaki (The Very Polish Cut Outs / Transatlantyk), Kruczynski first appeared for Emotional Response as The Phantom for the first series of SchleiBen in 2015. Featuring two works of deep 'fourth world' sounds, they highlighted a shift to more mellow, synthetic and hazy compositions. His break out came, however, when he explored this sound further on his eponymous album Baltic Beat, for the acclaimed Growing Bin Records. This has been augmented with the recent club based music as one half of the wonderful Earth Trax (Rhythm Section International / Phonica Records) project. Here though, Kruczynski returns to the ambient and ethereal - plus a touch of dub techno - to showcase his expansive collaborative work with Polish studio, TVP Culture. Given free artistic license, the 15 'short form' recordings included here were for programming, in the main, on modern Polish Art including the likes of Magdalena Abakanowicz, Miroslaw Balka and Tadeusz Kantor, as well as some international aspects for Enrico Prampolini, Ai Weiwei and Monica Bonvicini. Taken from over 70 episodes the material included recollects imagery, video and memory to present a series of short vignettes that together create one whole. Minimal and hazy ambience (V, VII, VIII, XI, XII) envisages classic melodies and chords and is accompanied by further 'fourth world' pieces (I, II, III, VII, X) that present an oeuvre that is recognisably the music of Kruczynski, while remaining fresh and perfectly meditative. A counter can be found in the atmospheric dub works (IV, IX, XIV) that hint at echo chamber environs to get infinitely lost in. As an album then, "Selected Media" can be heard as a snapshot to Kruczynski's music journey, a meeting of art and music that is oft overlooked but very much essential.


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2018年10月3日水曜日

[221] Nils-Aslak Valkeapää & Esa Kotilainen - Eanan, Eallima Eadni


Label: DAT
Catalog#: DAT CD-5
Format: CD, Album
Country: Norway
Released: 1989
DISCOGS

1  Eanan, Eallima Eadni  30:02

2  Beaivái, Beaivvi Guvlui  31:37

フィンランドの電子音楽〜アンビエント史を振り返る上で最も重要な音楽家のひとりであり、現在も自国の環境にインスパイアされた作品を発表し続けている鬼才作曲家・鍵盤奏者Esa Kotilainen(エサ・コティライネン)と、2001年に死去したサーミの英雄的詩人Nils-Aslak Valkeapää(ニルス=アスラク・ヴァルケアパー)の共作アルバム。古くは1860年代から1930年代にかけて撮影されたサーミの歴史的資料を含むヴァルケアパーの詩集「Beaivi, Áhcážan」(91年北欧理事会文学賞受賞:タイトルは「太陽、父」の意)のための音楽として、詩集発刊の翌年、89年にサーミ芸術専門の出版社DATから発表されました。

サーミとは、スカンジナビア半島北部からコラ半島に広がるラップランド地方で、ツンドラの大地を季節ごとに移動し、トナカイを追って暮らしてきた先住民族。その土地の精霊・シャーマニズム信仰を背景に、自然界と交信するための道具・方法として古くから伝承されてきたのが、この作品の中でヴァルケアパーが歌う「ヨイク」。現代まで残る伝統歌謡としてはヨーロッパ最古とも言われるヨイクですが、キリスト教の介入によりサーミ古来の信仰が弾圧された時期、ヨイクを公の場で歌うことは処罰の対象とされていたため、60年代までは衰退の一途を辿ったそうです。しかし、60年代以降、サーミ文化復興運動の高まりとともにヨイクは再興。ヴァルケアパーがクラシックの作曲家らと共作した68年のデビュー作「Joikuja」が、伝統と現代を融合した新しいヨイクの指針となり、70年代以降も前衛ジャズのサックス奏者Seppo Paakkunainen(セッポ・パーックナイネン)やコティライネンらの協力を得て、さらに斬新なアプローチによるレコーディング作品を発表しました。94年にノルウェーで開催されたリレハンメル冬季オリンピック(オリンピック運動における環境保護・自然との共生の重要性を呼びかけた大会)の開会式で彼が披露したヨイクの歌声は、多くのサーミ人に勇気と希望を与えるものであったといいます。
本作に収録された2曲「地球、生命の母」「太陽へ、太陽の方へ」は、どちらも30分を超える長大曲。海鳥の鳴き声、波の音、コティライネンが操るシンセサイザーの温かみのあるアンビエント・サウンドと、ヴァルケアパーの深奥なる歌声。録音が行われたのはヘルシンキのスタジオで、フィールドレコーディング音源は海のイメージを誘起させるものとして導入されていますが、ヨイクが森羅万象の生命との仲立ち役であると考えるのなら、海に留まらずあらゆる自然環境・霊性と目に見えない次元で共演・交感した作品と捉えることもできます。人間と大地、大地と宇宙を等しく結ぶ、サーミ固有の環境音楽、もしくは高次フォークロア音楽と呼びうる傑作です。

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Nils-Aslak Valkeapää, Johan Anders Bær, Seppo Paakkunainen & Esa Kotilainen
Dálveleaikkat - Wintergames (DAT, 1994)

 Esa Kotilainen - Jäänalainen II (2018)

2018年9月27日木曜日

[220] Sanpo Disco - Midday Moon Promo Mix



メルボルンを拠点に国内外のDJやミュージシャンのミックスを紹介している人気シリーズSanpo Disco。英NTS Radioで9月19日に放送されたマンスリー番組の最新回は、ブリスベンのレーベルBedroom Suck Recordsから今秋リリースされる、Rowan Mason(ローワン・メイソン)とJoe Alexander(ジョー・アレキサンダー)の選曲・監修による編集盤「Midday Moon」の特集。80年代初頭から90年代半ばにかけて、イーノからの影響や、シンセサイザーをはじめとする電子音響技術、自国の地理性・民族性・精神性などが結び付き、独自の発展を遂げたオーストラリアとニュージーランドのアンビエント・ミュージック。その知られざる作品に焦点を当てた編集盤のプロモーションを兼ね、収録曲のほかレアな未収録音源も交えた、2時間通じて素晴らしいアンビエント・ミックスとなっています。以下はプレスリリースの粗訳です。


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「ミッデイ・ムーン(白昼の月)」は、1980年から1995年までの間にオーストラリアとニュージーランドから現れたアンビエント・ミュージック/実験音楽を調査したものです。これらの音源は小さなレコードレーベル、プライベートプレス、劇場のサウンドトラック、アーティストの未発表アーカイヴから提供されました。

私の意向は、80年代初頭以降のアンビエント・ミュージックにおけるローカルな表現を探究することでした。当時は、シンセサイザーや初期のワークステーションが消費者市場に参入し、音楽を想像・創造する新しい環境がもたらされた時代でした。これらの転換により、アンビエント・ミュージックへの道が開かれました。それは、「環境の作用」を誘起する音楽であり、「思考するための静けさと空間」を促し、とりわけ「特に1つを強制することなく多くのレベルの聴取に対応することができる」音楽であると、Brian Enoによって説明されます。Enoはこの言葉を作り出し、それ以前に登場したミューザックのような商業的なアプローチによる音楽と区別し、その境界線をより明確に規定しようとしました。私は、オーストラリアとニュージーランドから彼が考える基準を満たす音楽を探したかったのです。このことが、ほとんど私のデスクの上で、インターネットの深層部に潜る長い旅になろうとは思ってもみませんでした。
ブラウザで「オーストラリア」と「アンビエント」という2つの単語を検索すると、縁がぼやけた熱帯雨林の写真と、セラピューティック・ギフトショップのストックフォトCDが表示されました。アンビエントは、しばしばセンチメンタルな旅行客の視点を通して自然風景を眺めるニューエイジのレコードとひとまとめにされます。そのようなアルバムは、鎮静的なシンプリシティを誘起する水晶のように透明なサウンドで満たされ、穏やかで、没場所的です。しかし、私がさらにスクロールするにつれ、より豊富な、より多様なアンビエントのジャンルが形成され始めました。私は、現実と想像、自然と人工、風景と空気で、独特の文化的地理を作り出す音楽を見つけました。一部のアーティストは、自国の周りにある見過ごされた空間の特異な音響生態学に注目していました。また、非西洋圏の音楽文化や楽器に興味を持つアーティストもいました。それらに共通する特徴は、アコースティックと合成音を通じて内外の領域を結び付けるために新しいテクノロジーが運用されている点です。
私は「ミッデイ・ムーン」が壁紙以上のものとして体験され、黙考にふけ、思い巡らすための空間をもたらすことを願っています。John Elderの "Again" は、街角の音、会話、テープループを織り交ぜ、その環境を再現しています。彼の作品は、リスナーに「そこにいる感覚」を与えます。「そして、そこにいることは…」、彼は次のように続けます。「私の作品の全てに関わります。私たちが訪れた場所のスピリットを宿しているという意味で、それをソウル・ミュージックまたはスピリチュアル・ミュージックと呼びたいのです」。同様に、Sam Malletの "Westgate Bridge at Dawn" では、メルボルンで最も有名な産業ランドマークを通った経験が奇妙に再現されています。Not Drowning, Wavingの作品には、オーストラリアのブッシュ(郊外の森林)とアウトバック(内陸部の広大な砂漠地帯)の不安定な美しさに関する多くの瞑想が含まれています。 Ros Bandtの作品は、アコースティック、ライヴ・エレクトロニクス、音響のマニピュレーションのさまざまな融合を反映しています。Bandtの習作は、彼女の広範なキャリアの上で多数の形態がとられています。例えば、アルバム「Stargazer」で、彼女は地下5階のコンクリート製シリンダーの共鳴を探りました。幸いにも、そのプロジェクトから "Starzones" という曲を収録することができました。
ここに含まれているアーティストの多くは、展示会、映画、演劇などの楽曲を制作することで安定した収入を得ました。その例として、Blair GreenbergがタウンズビルのダンスカンパニーDancenorthのために制作した "Rainforest"、Beyond The Fringeがダンスシアター作品「The Dove」のために制作した "Guitar Fantasia"、Sam MalletがAnthill Theatreのために現在も継続している制作活動が挙げられます。このコンピレーション・アルバムのタイトルは、実際にTrevor Pearceによる同名の劇場作品から着想を得たものです(残念ながら、今回それを収録することができませんでした)。これらの機会は、音楽の芸術的表現を飛躍させました。しかし、そのような機会がなくても、確立された拠点や統一されたシーンがなくても、多くのアーティストがアウトサイダーのように活動し、プライベートで独立したレーベルで、比較的小さなコミュニティのリスナーのために音楽を作ることに満足していました。Helen Ripley Marshallの "Under the Sun" はこの代表的な例であり、またTom Kazasの最初のソロアルバムも同様です。Kazasのアルバム「Deliquescence」は、彼の1980年代のサイケデリック・ロック・バンドThe Moffsがまだ活動していた頃にリリースされました。当時はイーサリアル・サイケと評されましたが、間違いなく彼のバンドの音に繋がっていました。より正確に言えば、Kazasは、アンビエント・ミュージックを空気、楽器、実験音楽を探る手段として、また当時のロック・ミュージックの限界に対するひとつの反動として取り入れました。John Heussenstammの音楽も同様に、予期せぬ方向転換を図りました。主にDeniece Williamsのようなアーティストのためにブルース、ソウル、ジャズのギタリストとして活動した後、Johnはアメリカからパースへ移り、自身のレコード会社Hammerheadから3枚のアンビエント・アルバムをリリースしました。彼は、彼自身が根本的であると感じたこと、つまり「音楽はスピリチュアルであり、心に密接に関係しているほど高尚なものになり、それは永遠のものを表現する」ことを音楽に活かそうとしました。
音楽を共有することを承諾し、「ミッデイ・ムーン」に寄与してくださったアーティストに心から感謝します。そして、彼らの音楽がこのコンピレーションによって新しいオーディエンスに届けられることを願っています。皮肉なことに、私はこのコンピレーションを仕上げるために多くの時間をコンピュータの画面に貼り付いて過ごしましたが、このコンピレーション自体がリスナーが画面から離れるチャンスになれればと思います。この音楽を聴きながら、あなたが現在に繋がり、心を穏やかに、感覚を落ち着かせて、本当の、もしくはどこか想像上の場所へと旅しますように。
Rowan Mason, Melbourne, June 2018
*the original English text can be found here. 


va Midday Moon (Bedroom Suck Records, 2018)
including detailed track credits,
liner notes and original artwork by Louis Kanzo.
compiled by Rowan Mason and Joe Alexander.

2018年9月26日水曜日

[219] 静寂を求めて 癒やしのサイレンス



静寂は心を鎮め、開かせる。そして心を環境と調和させる。

騒音から逃れるため、グレッグ・ヒンディは23歳の誕生日までの1年間、沈黙の誓いを立て、一言も発せずに徒歩でアメリカ大陸を横断した。作曲家ジョン・ケージが音楽の新たな地平を開いた独創性に富んだ無演奏の曲「4分33秒」は、演奏以外の「無」を聴き、そして観るという、常に揺れ動く心に静かな居場所を与えるような全く新しい体験をもたらした。日本の宮崎良文教授は、森林浴によって都会人がリラックスし、ストレスが軽減することや、低下していた免疫機能が改善することを大学医学部等との共同研究で確認した。静寂の必要性が急速に高まっていく中、『静寂を求めて』は、私たちがあらゆる音に囲まれて生きるこの21世紀を、静寂、音楽、騒音などの音に焦点を当て、健全に生きるための方法を探究するドキュメンタリーである。

監督:パトリック・シェン プロデューサー:パトリック・シェン、アンドリュー・ブロメ、ブランドン・ヴェダー

共同プロデューサー:キャシディー・ホール
編集:パトリック・シェン
撮影:パトリック・シェン、ブランドン・ヴェダー
音楽:アレックス・ルー
製作総指揮:アンドリュー・ブロメ、ポピー・スキラー、ラリー・ファインゴールド
アソシエイト・プロデューサー:マイケル・コールマン
編集顧問:ナサニエル・ドースキー

出演者:グレッグ・ヒンディ、宝積玄承、ジョン・ケージ、奈良 宗久、デイヴィッド・ベチカル、宮崎 良文 他

81分/2015年/英語・日本語
配給:ユナイテッドピープル 原題:IN PURSUIT OF SILENCE

協力:銀座ソーシャル映画祭


2018年9月22日土曜日

[218] ナチュラル・クワイエットを求めて



YBS山梨放送のFMラジオ開局記念として2018年1月28日に放送された特別番組「ナチュラル・クワイエットを求めて」。「ナチュラル・クワイエット」とは、車の走行音、電子音などの人工音が全くない、自然の音しかない状態のこと。無音である「サイレント」の状態とは違い、心地よい自然音との均衡が保たれた、穏やかな静けさを意味するそうです。この番組の出演者は、1990年から山梨県北杜市武川の森の中にスタジオを構え、サイバーフォニックと呼ばれる独自の3Dサウンドシステムで自然音を録音し、現代人の心に優しく響くリラクセーション・サウンドを作り続けてきた環境音楽のパイオニア=小久保隆。70年代後期からエレクトロニクスを主体に音楽を制作していた小久保氏が自然音の世界に深く傾倒してゆくきっかけとなった出来事や、フィールドワークを通じて体験したことなど、自らの言葉で振り返りながら、サイバーフォニックで集音した四季折々のナチュラル・クワイエット音、この番組のために制作された「武川の四季」などの楽曲を紹介。人間と自然の共生について、聞き手に静かに問いかける50分。(アップローダーはmichitomiokaさん。シェアしてくださり感謝です。)


小久保隆/Takashi Kokubo

環境音楽家・音環境デザイナー。自然が持つ“人の心を癒す力”に注目し、現代人の心に優しく響くリラクゼーションミュージックを制作。深い癒しの音を求めてこれまでに訪ねた国と地域は50ヶ所にのぼる。「水の詩」「風の詩」「Quiet Comfort」(共にイオン レーベル)、「イヤーバカンス・シリーズ」(コロムビア)などCDを多数リリース。その他、携帯電話緊急地震速報のアラーム音や、電子マネー「iD」のサイン音、東京「六本木ヒルズアリーナ」の環境音楽など、音環境デザイナーとしても幅広い分野で活躍をしている。


Forest Healing (Della Inc., 2016)

A Dream Sails Out To Sea: Get At The Wave (Lag Records, 2018)

2018年9月20日木曜日

[217] Kajsa Lindgren - WOMB

ベルリンの実験音楽レーベルHyperdeliaよりリリースされた、スウェーデンのサウンドアーティストKajsa Lindgren(カイサ・リンドグレン)のファースト・アルバム「ウーム」(子宮の意)。自然のフィールド・レコーディングと身体の音、インタビュー素材などで構成された自身のコンポジションをプール内での録音/再構築。水中のインパルス・レスポンス効果と微細なノイズ成分が加わり、深い海の底か、遠い記憶を漂うような異空間的音響が展開されています。下のリンクは、アルバムのリリース直前にロンドンのオンラインラジオResonance FMで放送された特別番組。

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This episode: special broadcast of WOMB, by Kajsa Lindgren, an underwater concert of aquasonic poetry heard as a reminiscence to voices from childhoods once lived, of distant musics and imagined sonic ecologies. The initial composition material of field-recordings of nature and body sounds, interviews and compositions has been re-recorded and re-amped underwater for broadcast on Resonance Extra, ahead of its imminent release via Berlin's Hyperdelia label on June 15th 2018. Recorded live at Stockholm bath-house Storkyrkobadet, supported by Kulturbryggan, Sweden.

2018年9月16日日曜日

[216.1] Mori To Kiroku No Ongaku #7



昨シーズンに続き、2018-2019シーズンもLYL Radioの隔月2時間枠を担当することになりました。LYLから新しいスケジュールが届いたのが初回放送日のちょうど1週間前(何の前触れもなく届いたので少し焦りました)。その日は、北海道胆振地方を震源とする大きな地震が起きた日でもありました。地震発生後にSNSで情報を追っていたところ、北海道に住んでいる方が停電時に撮影した星空の写真が目に留まり、その幻想的な美しさが強く印象に残りました。今回の2時間の選曲は、その写真を見たときの複雑な気持ちと結びついています。豪雨、台風、地震。各地で被災された方が、一日でも早く平穏な生活に戻られますように。


the first episode of my LYL Radio show in the new season is a two-hour ambient mix inspired by a picture of a star-filled night sky, which I saw on social media a week ago. it was taken by a person who lives in Hokkaido during the power outage due to the 2018 Hokkaido Eastern Iburi Earthquake. I sincerely pray for the safety and peace of mind of everyone who suffered from these disasters.



tracklist:
Harold Budd & Clive Wright - Sunday After The War
Shuta Yasukochi - Another Light
Robin Guthrie & Harold Budd - Snowfall
Slow Dancing Society - Be There
Marconi Union - These European Cities
Fibreforms - Untitled Bright Format
Guy Gelem - Second Tide
Colin Fisher - VIII
Zbigniew Lewandowski - Zmęczenie
Albrecht La'Brooy - Daybreak
Gianluca Petrella - Cue
Matthew Hayes & Joel Trigg - Downtime
New Zion Trio - Niceness
Ekimi - Che Wa Sha Wo
Paul Speer - Lento
Bob Siebert - Piece in E Flat
Sunstroke - Nothing's Wrong In Paradise
Hiroki Okano - Hamon
Ayuo Takahashi - Grasslands
Kenjiro Matsuo - Without Wind

2018年8月20日月曜日

[216] Iury Lech - Otra Rumerosa Superficie


Label: Utopia Records
Catalog#: -
Format: Vinyl, LP, Album
Country: UK
Released: 2018 (1989)
preorder

A1 Bocetos Para Un Sueño 3:24

A2 Adagio Semejanza 4:48
A3 Hipódromos De Acero 3:47
A4 Continuo I 2:11
A5 Emblemas 10:35
B1 Final Sin Pausas 3:49
B2 Continuo Ii 4:27
B3 Tercera Lluvia 1:26
B4 Mundos Soterrados I 5:26
B5 Numinosum I 4:07
B6 Situaciones 3:30
B7 Numinosum Ii 2:47

近年最も注目を集め、ベルリンのレーベルCockTail d'Amore Musicにより再発されたセカンドアルバム「Musica Para el Fin de Los Cantos」に続き、ユーリ・レッヒのデビューアルバム「Otra Rumorosa Superficie」は、アレクサンダー・ブラッドリーにより設立されたUtopia Recordsの再発部門から初めてヴァイナルでリリースされます。1989年にカセットで発表されるも、これまでほとんど聴かれることがなかったこのミニマル音楽のマスターピースは、間違いなく「Musica Para el Fin de Los Cantos」を超える完璧なアルバムです。元々は2つの短編映画「Final Sin Pausas」「Bocetos Para Un Sueno」のフルスコアとして作曲。そのアレンジメントはアンビエント、瞑想的でシネマティックなミニマリズムの奥深さ、ロマン主義と誠実さを結ぶ美しいリスニング体験をもたらします。レッヒはウクライナ出身の多分野的なアーティストであり、現在は主にニューメディアアート、ビデオアート、ブライアン・イーノをはじめ多くの作品に取り入れられてきたオーディオ・ビジュアル技術に焦点を当てたマドリッドのフェスティバル「Madatac」のキュレーターとして活動しています。1970年代後半から80年代にかけて、彼は電子的に生成されたオーディオおよびビジュアル・メディアに注目し、すぐにその分野の先駆けとして知られるようになりました。反復的なリズムと波紋の共鳴、ドローン、アンビエンス──スティーヴ・ライヒ、テリー・ライリー、フィリップ・グラスらが拓いたミニマリズムの地平に描かれた、この時代のレッヒ作品はとても印象的で美しく、これまで見過ごされていたのはあまりに不当に思えます。(プレスリリースより抜粋・訳)


Following on from one of the most sought after reissues of recent years ‘MUSICA PARA EL FIN DE LOS CANTOS’ on Berlins Cocktail D’amore, Iury Lechs debut LP ‘Otra Rumorosa Superficie’ is made available for the very first time on Vinyl launching the reissue division of London based Utopia Records set up in 2015 by Alexander Bradley. This cassette only release from 1989 is a minimal masterpiece practically unheard until now. Arguably a more complete album than De Los Cantos, Originally composed for two short films ‘Final Sin Pausas’ and ‘Bocetos Para Un Sueno’ as a full score the arrangement is a beautiful listening experience spanning through ambient, meditational and cinematic minimalism of real depth, romanticism and sincerity. Iury Lech is a Ukrainian born multidisciplinary artist, whose main focus now is as the curator of ‘Madatac’ a festival based in Madrid focused on new media art, video art and audio visual technologies which has featured the work of Brian Eno amongst many others. During the late 1970’s and 80’s he rose as a pioneer within a moment focussed on electronically generated audio and visual media. Drawing on the ground gained by Minimalist pioneers like Steve Reich, Terry Riley, and Philip Glass - built from repetitive rhythm and sheets of rippling resonance, drone, and ambience, Lech’s work of the period is so striking and beautiful, that it seems shockingly unjust that it was overlooked until now. The album comes in 180 gram vinyl edit form with full cassette version on USB on purchase of record. Utopia Originals sets out to promote and reinvigorate music and artists in the most authentic way possible. 'OTRA RUMOROSA SUPERFICIE’ has been remastered from original master tapes at Central Dubs, Bern Switzerland and the original artwork licensed through argentine visual artist Pablo Siquier.


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2018年8月14日火曜日

[215] Nick Storring - My Magic Dreams Have Lost Their Spell



Orange Milk、Scissor Tail、Entr'acte、Notice Recordingsといったレーベルから優れたソロ作品をリリースしてきたトロント在住の作曲家/マルチ奏者Nick Storring(ニック・ストーリング)のサウンドクラウドより、来年リリースされるというアルバム「My Magic Dreams Have Lost Their Spell」のタイトルトラック。メイン楽器であるアコースティック/エレクトロニック・チェロのほか、複数の木管楽器、鍵盤、弦楽器、打楽器、エレクトロニクスを1人で操るソロオーケストラ編成。全ての要素が一体となってデリケートで刺激的な調和を生み出す彼の持ち味が以前にも増して発揮された、息を呑むような美しい一曲です。新作アルバムはこの曲を含む全4曲が収録され、2014年作「Endless Conjecture」と同じOrange Milkからリリースされる模様。楽しみに待ちたいと思います。


Final & titular track from an album that should see the light of day in 2019. Composed and performed by Nick Storring with only the *very* merest of DSP (only a bit of reverb, EQ, compression, panning)

Nick Storring - Fender Rhodes, Hohner Clavinet D6, Hohner Pianet T, Yamaha CP60M, Yamaha Venova, acoustic cello, NS Designs NXT4 electric cello, electric bass, electric mandola, flutes and recorders, pan pipes, hulosi, xaphoon, Nuvo DooD Clarinet, glockenspiel, toy gamelan, harmonicas, melodica, drums and percussion, acoustic guitar, voice.

2018年8月12日日曜日

[214] Sebastian Gandera - Le Raccourci


Label: Efficient Space

Catalog#: ES007
Format: Vinyl, LP, Compilation
Country: Australia
Released: 2018

1 N'Écrire Que Du Vent

2 La Visite Au Musée
3 And Then The Wind
4 Chienne De Vie
5 Quand Natalia Peint
6 Thème Entre Deux Chants
7 Les Sanglots Du Locataire
8 John Doe
9 C'Était À L’Aube
10 Le Dialogue Des Joueurs De Cartes
11 Et L'Obscurité Toute Entière Pour Me Rappeler Cela
12 Le Train Ne S'Arrêtera Plus
13 L'Oubli
14 Chryséléphantines
15 D'Un Pas Chancelant

80年代後期から90年代半ばにかけて、自国の近代音楽〜印象主義の様式を受け継ぐローファイなベッドルーム・コンポジションを欧米のアンダーグラウンド・カセットレーベルから発表していたフランスの作曲家/鍵盤奏者Sebastian Gandera(セバスティアン・ガンデラ)。彼の楽曲を集めた初の編集盤が、メルボルンのプロデューサーMichael Kucykが運営する音楽サイト/ラジオ番組Noise In My Headのレトロスペクティヴ・レーベルEfficient Spaceよりアナウンス。選曲・監修は同レーベルのDIYポップ編集盤「Sky Girl」の選曲も手掛けたJulien Dechery、ライナーノーツはP.A.M.のデザイナーMisha Hollenbachが担当。リリース予定日は9月27日。


Le Raccourci is a welcome introduction to the world of modern classical identity Sebastian Gandera. The impressionist landscapes of a sensitive soul self-reflecting, these miniature compositions alternate across a rudimentary set up of piano, field recorder, sampler and four track. Melancholic utterings hastily captured some 100km east of Paris. Classically trained by the same teacher as his parents, Gandera first began recording in the confines of his university dorm room, inspired by a C60 from friend and future collaborator Bernard Odot (A Gethsémani). Humbly existing without sparing a thought to music industry or career, Gandera’s personal effects surfaced via the European and US cassette networks from 1988 to 1994. Impressively accomplished for the DIY scene they orbited, these tapes were issued in scant quantities, rendering his pieces as private secrets shared and duplicated in small concentric circles. Aside from a sole, avowedly traumatic performance, the material was never shared in a live context. Selected by Sky Girl co-conspirer Julien Dechery, Le Raccourci culls 15 tracks from Gandera’s extensive cassette discography, discarded DAT recordings, and split CD with Lyon toy music project Klimperei. These sentiently charged compositions only hint at his larger catalogue, but act as a compelling cross section of the artist’s oeuvre. The identity is further detailed by archival images, Glen Goetze penned liner notes and original artwork from Perks and Mini’s Misha Hollenbach. While Gandera’s nostalgic melodies incidentally parallel with the piano key manoeuvres of Pascal Comelade, Robert Haigh and Dominique Lawalrée, Le Raccourci could only stem from the escapist desires of one Eric Morin. 


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2018年8月1日水曜日

[213.1] The Oddlogs w/ Post Ambient



my past mix for Lyon/Paris based online radio station LYL Radio, reposted with full tracklist this time. it was broadcasted in June last year, as the eighth episode of The Oddlogs series focused on music bloggers. thanks a lot again Aki and Lucas.


tracklist:
Haruomi Hosono - Garçon
Pepe Maina - The Seven Sages
Rüdiger Oppermann's Harp Attack - Troubadix In Afrika
Zenamon - Promenade Of The Times Through The Countries
Per Tjernberg - The Secret Procession
Isiro - Simba Analia
Steve Shehan - Unknown Lights
Jon Keliehor - Subcontinent
Brian Ales - La Casa Ya En Bongo
Nikola Dimushevski - Divan
Wrobltschek - Laura
Solar Quest - The Belle Of Atlantis
The Ecstasy Of Saint Theresa - Trance (Between The Stars) - Meadow In Terry's Chair Remix
Another Fine Day - Green Thought (In Green Shade)
Matthew Hayes - Smiths
Pepe Maina - Tales Of The World
A Small, Good Thing - Jane Russell
Hector Zazou - De L'Ame Pour L'Ame
23 Degrees - Dissolver Of Sugar (Intro)
Mike Herting - Algodoal

2018年7月28日土曜日

[213] The Bermuda Triangle - Sketches From Space


Label: Vibraphone Records

Catalog#: VIBR 018
Format: Vinyl, 2LP, Album
Country: Italy
Released: 2018
DISCOGS

A1 Lagrangian Point L4 1:39

A2 Pulsars 5:07
A3 Jupiter's Butterflies 3:18
A4 Celestial 4:15
B1 C-Beams 4:57
B2 Moon's Magnetic Field 4:22
B3 Centaurus A 1:58
B4 Redshift 7 4:47
C1 Andromeda 3:48
C2 Sextans A 4:38
C3 Orion 6:23
D1 Bianca 3:12  
D2 Nova 3:27
D3 Dark Energy 2:06
D4 47 Million Light Years From Earth 3:25
D5 Nevaeh 2:16

92-93年の短期間運営され、2015年の再始動後は既発タイトルの復刻でイタロ・ディープハウス再評価の導き手となっているローマ拠点のレーベルVibraphone Recordsより。The True Underground Sound Of RomeやMinimal Vision名義でも知られるStefano Di Carlo(ステファノ・ディ・カルロ)、Mauro Ruvolo(マウロ・ルヴォロ)、Stefano Curti(ステファノ・クルティ)、3名のDJ/プロデューサーによる伝説的プロジェクトBermuda Triangle(バミューダ・トライアングル)が、26年振りとなる新作にして初のフルレングスLPをリリース。ベテランらしい多彩なアプローチを交えた、現代のエレクトロニック・シーンやチルアウト・リスニングにもフィットする全16トラック。


One of the deepest reaching projects from the multifaceted Vibraphone stable resurfaces for an extended trip through ambient sonics that marks possibly the most daring departure on the esteemed Italian label to date. The harmonious tones undulating throughout Sketches From Space are instant soothers, taking the odd cue from techno but defiantly beatless and meditative. It's a surprising addition to the long and winding Vibraphone story, but also feels like one of the strongest steps forward the resurgent label has taken since returning to the fray. Just try sinking into "Lagrangian Point L4" and you'll see exactly what we mean.


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2018年7月24日火曜日

[212] Thierry Royo



Thierry Royo, my favorite guitarist and bassist originally from Belgium. he has been a member of artist collective Pablo's Eye since the 1980s, lived in New York City with his family since the 1990s, and has been active as a solo artist until now. his two solo albums "Minniesland" and "From the Celestial Factory" are available at his bandcamp page.


2018年7月20日金曜日

[211.1] reissue / archival

Lorad Group ‎– Sul Tempo [Lily Record, Italy]
issued on vinyl for the first time
original CD was released on the same label in 1988

re-mastered reissue of minimalist piano masterpiece
originally released on Kuckuck in 1984

a lost US new age, ambient, synth classic
issued on vinyl for the first time
original cassette was released on Eastern Sun Music in 1987

re-mastered reissue of a lost ambient cosmic gem
from Liquid Liquid founding member
originally released as part of a new age cassette series in the '80s

expanded new mix of 1975 electronic biomusic opus
original vinyl version was released on Round Records

re-mastered reissue of the first minimalist recordings released in Portugal
composed and performanced by Jorge Lima Barreto and Vítor Rua
originally released on Cliché Musica in 1983

reissue of his two early albums for the first time on double LP
originally released on General Music and Cpds in 1985

Didier Bocquet - Eclipse [Cameleon Records, France]
reissue of French kosmische electronic gem
originally released on Le Kiosque D'Orphée in 1977

Chilean electronic music composer's earliest album
issued on vinyl for the first time
including bonus tracks taken from unreleased cassette "Espiritus"
original cassette was self-released in 1983

compilation of recordings in her home studio between 1982 and 1997
double gatefold LP, re-mastered DMM pressing

2018年7月19日木曜日

[211] Prins Emanuel - Diagonal Musik


Label: Music For Dreams

Catalog#: -
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Denmark
Released: 2018

A1 Orön

A2 Lindholmarna
A3 Bastun
A4 I Skyn
B1 Jordkällaren
B2 Sommarrummet
B3 Vinden
B4 Lertaget

スウェーデン・マルメのDJ/プロデューサーPrins Emanuel(プリンス・エマニュエル)のセカンド・フルレングスLPが、デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするバレアリック名門Music For Dreamsからアナウンス。マルチ奏者としての力量を発揮した前作「Arbete / Fritid」のディスコ・グルーヴから一転して、自身の操るアコースティック・ギターを全編にわたってフィーチャーした本作。家族や友人たちとともに暮らす田舎町Orön、かつてはデンマーク領だったスコーネ地方の風景を描いた、オーガニックなフォーキー・アルバムに仕上げられています。A4 "I Skyn" はLaraajiへのトリビュート。ヴァイナルのリリース予定日は8月24日。


The young virtuoso producer Prins Emanuel follows up his acclaimed debut album on Music For Dreams with something quite different than what we’re used to hearing from him. While Arbete & Fritid was an epic odyssey into the furthest corners of disco with an array of studio wizardry and complex rhythms, Diagonal Musik is a sparse and delicate exploration of the acoustic guitar. Steering away from his comfort zone, the Prins follows his intuition for experimentation and lands somewhere in a field of genre-defiant folk-jazz meditations; a development that fits like hand in glove for the eccentric nature of Music For Dreams.

The album reads like a soundtrack to the country house Emanuel shares with his family and friends, a place on the map called Oran. From atop a hillside overlooking a lake, Oran is lodged deep in the heart of the Skåne landscape, the southern part of Sweden that once belonged to Denmark. This place encompasses the whole of the album, as the track titles all pinpoint crucial locations on the courtyard and its surroundings. “Orön” which opens the album is named after the small island that sits in the centre of the lake. There’s the hand-built sauna (“Bastun”) at the edge of the yard, and behind that in a slope the old root cellar (“Jordkällaren”).
While the nature here is anything but balearic, the overwhelming calm of the country life seems to inspire the same laid back attitude and passion for all things organic (and not just musically, as this is where Emanuel also makes cider from local apples according to the vin naturel school).
Upon listening to Diagonal Musik one might be keen to draw references to works in similar style, such as the output of late 80’s new age label Windham Hill or the dreamy lullabies of long-time friend and Music For Dreams affiliate 55 Cancri e. This is all circumstantial however, surprising as it may seem. While Prins Emanuel’s previous output has showcased a versatile mixture of styles all relying on a multi-instrumentalist approach, the idea to limit his use to only one instrument for a concept album has been lingering on his mind for some time. The fact that the acoustic guitar is one of the most recognisable instruments in Western musical history will surely open up for a myriad of associations, but this has little to do with the methods behind this album.
Functioning as a kind of tabula rasa, Emanuel would only let the instrument itself act as his guide towards the outcome of these songs. The title of the album in turn refers to the quite avant garde method of composing he developed to lead the way forward. Instead of employing a traditional song structure, the diagonal approach would entail that if started at one point he would then go directly to the farthest point in the process. Something akin to drawing only shadows and then finishing with the contours.
Whether or not this experimental aspect of the album is a key factor to understanding and appreciating it is entirely up to the listener however. While it may be diagonal music, it is also just simply beautiful music. - Simon Eliasson




2018年7月18日水曜日

[210] Matteo Nasini - Sparkling Matter


Label: Yard Press

Catalog#: YP002
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Italy
Released: 2018
DISCOGS

A Sparkling Matter 19:40

B Sparkling Matter 16:36

写真、立体物、インスタレーションなどの作品を制作しているローマ在住の美術作家Matteo Nasini(マテオ・ナシーニ)。2016年からミラノのギャラリー、ローマ国立近代美術館、ヴェネツィア・ビエンナーレで巡演してきた、眠る人の脳波を音に変換するコンサート「Sparkling Matter」に基づくドキュメント作品が、同じくローマを拠点とするYard Pressから出版。コンサート会場で展示された造形作品、美術評論家Davide Daninos(ダヴィデ・ダニノス)と本人によるテキストなどを掲載した36ページのブックレットが付属。

「深い睡眠とそれを取り巻くミステリーを観察するために、『Sparkling Matter』における音楽の作曲・構成は、心が自由に夢を見るときの形式不明な『考える行為』に全て託されています。この未知なるものの終わりのない調査は、多様な意識の状態に声を与えました。脳の電気化学活性をモニターするために14個の電極が使用され、それぞれ独立した信号を変換ソフトウェアに送ることができます。これらのプログラムは、リアルタイムで脳波データをオーディオ・ソフトウェアによって認識可能な信号に変換し、それを音声に翻訳します。」(マテオ・ナシーニ)

In order to observe deep sleep and the mystery surrounding it, in Sparkling Matter the musical composition has completely been delegated to the act of thinking in its more unknown form, when the mind is free to dream. This open-ended exploration of the unknown gave voice to the diverse states of consciousness. Fourteen electrodes have been used to monitor the electrochemical activity of the brain. Each one of them is able to send an independent signal to a conversion software. These programs transform, in real time, the encephalogram data into signals recognizable by an audio software, which translates them into sound. - Matteo Nasini


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2018年7月17日火曜日

[209] Ssaliva - Unplugged Vol. 1


Label: Jj funhouse

Catalog#: JJ016
Format: CD, Album
Country: Belgium
Released: 2018

1 Backfire 1:53

2 Ever Since 1:54
3 Fall W Me 1:40
4 Fin2feather 2:15
5 Radiant 1:09
6 Scattered 1:30
7 Seeker 1:51
8 Shard 3:02
9 Slay 1:39
10 Ssfx 2:15
11 Unplugged 3 2:12

Vlek、Ramp Recordings、Leaving Records、Eksterなどの良質レーベルからCupp Cave(カップ・ケイヴ)やSsaliva(サリヴァ)の名義でソロ作品をコンスタントにリリースし、OPN以降の異形エレクトロニカ〜ポスト・インターネット時代のムードに接合する音楽性で、現行エレクトロニック・シーンにおいて頭角を現してきたベルギーのプロデューサーFrançois Boulanger(フランソワ・ブランジェ)。Ssaliva名義の最新作となる本作は、蒸気で埋め尽くされたシンセ・アンビエンスや液体的なエレクトロニック・ビート、フェネスを彷彿とさせるグリッチ・ノイズなど、これまでの作品を形成していた装飾要素の一切を排して、ナイロン弦ギター風のアレンジによる朴訥としたサウンドに徹し、そのメランコリアの骨格を露にしてみせる新境地「アンプラグド・シリーズ」の第一弾。不気味なほどの生暖かいギターの爪弾きに物悲しいストーリーがじんわりと滲んでくるような、シンプルでありつつもただならぬ含みも感じさせる味わい深い作品です。


This is the first volume in ssaliva's unplugged series. This first volume contains 11 synthetic vignettes, a very stripped back affair, much more then we are used of this ever so elegant master of layering and kingpin of the lighter kind of electronic lasagna, digesting the latest flavors long before they get stale. Not on this one though. These are more skeletons of pop songs, bare and glassy, played on a fake nylon-stringed koto for an imaginary court of internet angels.


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