Catalog#: SVT 007
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Mexico
Released: 1973
DISCOGS
01 Cometa 1973 11:05
02 Cromometrofonia N°1 11:00
民俗音楽への関心から独自の微分音理論を考究したメキシコの作曲家/ヴァイオリニストJulián Carrillo(ジュリアン・カリージョ)の音律構造を基に製作された96弦の特大微分音ハープARPA citera。Carrilloのもとで楽理を学んだOscar Vargas Leal(オスカー・バルガス・リール)とDavid Espejo Aviles(デヴィッド・エスペホ・アビレス)による演奏を収めた1973年作品。弦中心部では余韻も長く、狭い音程間隔にグリッサンドを多用しているためおおよそ房状和音の状態で、地下トンネルの反響や、飛行機の通過音、爬虫類の嘶く声も連想される、通常の弦楽器の範疇を超える霊妙な響き。水でいえば澱み、風でいえば凪ぎ、というように「停滞・緩徐・微動」の速度感で、聴感は暗いですが、ごく低明度の色相をグルグルと循環し続けるような不思議な色味の音響が奏されています。おそらく微分音の世界にユニークな功績を残した作品と思いますが、ここでは、酩酊状態のArnold Dreyblatt、現代音楽化したLaraaji……または弦楽アンビエントの極北として。
cover
Julián Carrillo, arpas y pianos y su música
Músico mexicano: Julián Carrillo y el Sonido 13. Microtonalismo, teoría y práctica musical, música microtonal y microinterválica.
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