2016年7月15日金曜日

[062] Beverly Glenn-Copeland - Keyboard Fantasies


Label: Atlast Records

Catalog#: ALR022
Format: Cassette, Album
Country: Canada
Released: 1986
DISCOGS

A1 Ever New 7:16

A2 Winter Astral 6:29
A3 Let Us Dance 7:25
B1 Slow Dance 6:40
B2 Old Melody 4:33
B3 Sunset Village 7:22
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子ども達のウェルビーイングを目的とした映像制作、小学校を創作の場に使ったミュージカルのプロデュースなど、芸術教育のフィールドで活動しているカナダ・ニューブランズウィックのシンガーソングライターBeverly Glenn-Copeland(ビバリー・グレン・コープランド)。出身は米フィラデルフィア。キリスト友会系の異人種が集うコミュニティで、ジャズ・レコードのコレクションを持つ無名のクラシック・ピアニストの父、教会のシンガーだった祖母と、幼少期から音楽に囲まれた環境で育ったといいます。61年にモントリオールに移り、マギル大学でオペラとリートを専攻。クラシック歌手を志していましたが、卒業後はシンガーソングライターの道へ転向することに。独学でギターをはじめてから2年後、ジャズシーンのギタリストLenny Breau(レニー・ブロー)やフルート奏者Jeremy Steig(ジェレミー・ステイグ)と録音したアルバムでデビュー。この頃、Frank Vitale(フランク・ビテール)のミュージカルの音楽を担当したことが転機となり、その後はプロの作曲家として、映画やアニメーション、セサミストリートなど子ども向け番組のため音楽を多数作曲します。メイン楽器がギターからピアノになり、83年に自主レーベルAtlast RecordsからEPを発表。その3年後、86年に発表された2作目のアルバムが本作「Keyboard Fantasies」。前作のファンキーなフォーク・グルーヴから趣向を変え、使われた楽器はシンセサイザーとドラムマシンのみ。天文学や自然を愛するビバリーの大きな世界観とソウルフルな歌唱が、木管楽器やベルを模したミニマルなサウンドと絶妙なバランスを奏でる、やさしい雰囲気に包まれたアルバムで、おそらく子ども番組向けの楽曲に近いスタイルの作品だろうと思います。若い頃からトランスジェンダーであったビバリーは、2002年に男性へ移行。妻のElizabeth Copeland(エリザベス・コープランド)はパフォーミング・アーツ・スクール=キッドプレイハウスの芸術監督で、ともに教育の仕事に従事しています。


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