2017年12月31日日曜日

[176] Ditto ‎- In Human Terms


Label: Curious Music / Ditto Records

Catalog#: DIT-0101
Format: Digital, Album 
Country: US
Released: 2017 (1987)
DISCOGS

1 Pop 3:14

2 Bush 4:50
3 Urban 3:50
4 Eastern 2:13
5 Rock 5:07
6 World Anthem 3:43
7 Slave Waltz 4:02
8 Western 4:25
9 Christmas Before The War 6:31
10 Basso Continuo 9:19

Curious Music is pleased to announce the MP3 release of Charles Ditto’s 1987 debut album In Human Terms. The album’s soundscapes transcend the MIDI-centric mid-80s stylistic cul-de-sac and is one of those purely electronic records that bristles with warmth, humanity and humor. Described in a contemporary review as “nootropic pop minimalism,” this charming, little masterpiece traverses the terrain between electronic pop, brooding abstraction and points in between, making for a curious and alluring journey.

All instruments by ditto, except Richard Hardy hardy: sax on 'western' and 'basso continuo', Terri Ditto: bass steel drum on 'basso continuo', and John Hill: Fredericksburg cicadas on 'slave waltz'; recorded at Loma Ranch Studio (John Hill, engineer), Fredericksburg, Texas, 1987. All music published by Ditto Records/Human Symphony Music, BMI.

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2017年12月30日土曜日

[175] Kim Byoung Duk - Experiment No. X


Label: Daehan Electronics
Catalog#: DE001
Format: Vinyl, LP, Album 
Country: South Korea
Released: 2018
DISCOGS

A1 Shaman Tree 

A2 Ride in Smoke 
A3 Percussion Solo 
A4 The Deep 
B1 Experiment No.2 
B2 Theme From Sir Herbie 
B3 Land of the Morning Calm 
B4 New Jazz Form

自作の陶器をはじめ様々な楽器を操る、韓国アヴァンギャルド・ミュージック界の奇才マルチ奏者=김병덕(キム・ビョンドゥク)の楽曲を集めた初の編集盤が、今年ソウルで新たに設立されたインディペンデント・レーベルDaehan Electronicsよりアナウンス。現代音楽、ジャズ・インプロビゼーションから、アンビエントへと接続する、メディテーティヴなタオ・サウンドに焦点を当てた興味深いタイトルです。ディストリビューションはLight In The Attic。リリース予定日は1月12日。


釜山の賑やかな港湾都市で育ち、70年代後半からレコード店を経営していた김병덕(キム・ビョンドゥク)は、輸入レコードの最前線でサイケデリック・ミュージックを好んで聴き、その興味の先は自ずとスピリチュアル、アンビエント、アバンギャルドの世界へ広がっていきました。タオ哲学と、それに伴う瞑想音楽への関心の高まりは、音の想像力のための豊かな環境をもたらしました。楽器の利用が制限されていなかったため、彼は自身で焼き上げた様々なサイズ・曲率の壺や、シンバル、木製のフルート、打楽器など──そのどれもが独自の倍振動をもつ──を使い、全く新しいユニークな作品を作り出しました。「Experiment No. X」は、アンビエント・ミュージックとアヴァンギャルドの境界でタオ・サウンドの自由性から瞑想的な旅を描き、後にリズミカルな要素を導入したグルーヴ・オリエンテッドなジャムへと続く、キム・ビョンドゥクの全作品「Experiment No. 2」「Pot Concerto」「New Trilogy」から選曲されています。この完全ライセンス盤は、非常に希少なCD「New Morning」のトラックを含む、全てオリジナル・テープからリマスタリングされた彼の初めてのコンピレーションであり、パーソナル・アーカイヴからインタビューと写真を掲載した4ページのブックレットが付属しています。


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2017年12月26日火曜日

[174] Emily A. Sprague - Water Memory


Label: -

Catalog#: -
Format: Cassette, Album
Country: US
Released: 2017

1 A Lake 13:24

2 Water Memory 1 7:25
3 Water Memory 2 9:00
4 Dock 3:10
5 Your Pond 6:03

変容・循環する水とともに、自然界にそこはかとなく浮遊し、池や海のような場所では古い知識として滞留する「水の記憶」という存在への空想から生まれた物語。ブルックリンを拠点に活動するインディロック・バンドFlorist(フローリスト)のメンバーであり、シンセシスト/シンガーソングライターのEmily A. Sprague(エミリー・A・スプラグ)がモジュラーシンセを使って奏でた、穏やかで内観的なアンビエント・アルバム。水の様態を描いたカバーのドローイングと写真も自身によるもの。おそらく自主リリースで、彼女のとてもパーソナルな体験や思想が投影された作品のようです。


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2017年12月20日水曜日

[173] Johan Zachrisson ‎- Soil


Label: MNW

Catalog#: MNWCD 165
Format: CD, Album
Country: Sweden
Released: 1988
DISCOGS

1 Longing 10:10

2 Lake Place 32 B 5:24
3 Psalm For Shelter 4:31
4 Grief 4:08
5 A Woodchopper's Dream 4:03
6 By The Stream 3:24
7 New Zealand 8:50
8 Birth 14:37

ストックホルムのポストパンク・シーンでいち早くレゲエの要素とダブの手法を取り入れた先進的ロックグループDag Vag(ダグ・ヴァグ)のギタリスト兼ヴォーカリストJohan Zachrisson(ヨワン・ザックリソン)。80年代中頃から映画のサウンドトラック・コンポーザーとして、また近年では女性シンガーソングライターLykke Liの父親としても知られています。この「Soil」は、既に高い評価を受けていたDag Vagのメジャーデビューに先立って、88年に老舗レーベルMNWからリリースされたザックリソンのソロアルバム。ギターのロング・サスティンやアルペジオ、リリカルなピアノの旋律、浮遊感漂うエレクトロニクスを主軸に、曲毎にアプローチと編成を変えつつも、Dag Vagとは明らかに趣を異にする心象風景的なインストゥルメンタル・サウンドを前面に押し出した、おそらく自身のキャリアの中で最もアンビエントな作品。Zilverzurfarn名儀ではなく初めて実名で発表されたことも、それまでのロック路線とは異なるスタイルに向かおうとする意志の表明だったのかもしれません。どの曲も素晴らしいですが、特にCocteau Twinsを彷彿とさせるSaSa Maxineのレイジーなスキャットをフィーチャーした#4 "Grief" は、アルバムのハイライトに挙げたい出色のナンバー。自分にとってTom WolgersやPer Tjernbergに並び、スウェーデンにおける当時のクワイエットなムードを知る一枚になりました。


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2017年12月16日土曜日

[172] Colin Offord ‎- Indigenous Species


Label: Sandstock Music

Catalog#: SSM 035
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Australia
Released: 1989
DISCOGS

A1 Feathered Tiger 4:36

A2 Deep Water Syrinx 3:13
A3 Lungfire Suite 14:45
B1 Absolutely Wired 7:01
B2 Wet City Night 4:07
B3 Pillow Dance 11:36

ジャンルの枠を越えたクワイエット・ミュージック専門番組「Ambience」が放送されていた80年代末のオーストラリア。その編集盤にも収められたMichael Atherton(マイケル・アザートン)が率いるグループSouthern Crossings(サザン・クロッシングス)と並び
、フォークミュージック・レーベルSandstock Musicの作品の中でも群を抜いて実験的な音響志向を示していたのが、このColin Offord(コリン・オフォード)。音楽家でありビジュアル・アーティスト、書家でもあるオフォードは、オリジナル楽器や音響彫刻の製作、世界各国でのコンサート、環境インスタレーション、ワークショップ、異種間コラボレーションなど、現在まで約40年にわたり八面六臂な活動を展開しており、その多能ぶりから「ワールド・ミュージック界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも呼ばれています。創作楽器のビルダー兼パフォーマーとして彼が最も力を注いできたのが、不規則な形の木製胴体に9本の弦を張り、マウスピースやゴングを取り付けた「グレート・アイランド・マウスボウ」。オフォードはこの楽器を弓で弾いたり木の棒で叩いたり、またマウスピースを使って音色を変えたり息を吹き込んだりしながら、自身の歌唱を交えて演奏します。この他にも、大きな植物の葉や枝に一本の弦を張り共鳴体を付けた「オーストラリアン・ボウ」、木の枠に月の形の鐘を吊り下げた「ムーンベル」、地面に立てた複数の木の枝に長い弦を張った環境インスタレーション「アースハープ」など、ユニークな楽器が多数。本作「インディジェナス・スピーシーズ=先住民族」は彼のおそらく3枚目となるアルバム。ジャケットの写真にも映る初期型グレート・アイランド・マウスボウをはじめ、フィリピン・ミンダナオ島の口琴、タイ・イサーンのケーン、レインドラム(ミャンマーやタイで使われた雨乞いのための青銅製打楽器)、ウィンドパイプ、法螺貝などの楽器を巧みに操り、未知なる生命感に溢れたディープな超民族的音楽宇宙を繰り広げています。


Colin Offord: Singer, musician, instrument inventor, visual artist, traveller and collaborator. Through his extensive travels, sound explorations and artistic collaborations Colin Offord has developed an international art form with a distinctly Australasian character. A synthesis of music, visual art and performance that embraces western experimentalism, folk music, improvisation, East Asian, Aboriginal and Pacific cultural influences. His activities include concerts, environmental performances, the making of original instruments and sound sculpture, cross cultural collaborations, scores for theatre, film, dance, new media, animation and circus, exhibitions and installations, corporate and special events, community projects and workshops. Colin has performed in music festivals, art centres, concert halls, environmental settings, schools, cafes and community venues, in great cities and remote villages throughout Australia and the world.


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uploaded by Hani Hanbali. thanks for sharing. 

2017年12月12日火曜日

[171] Yoshio Ojima Solo Live w/ Satsuki Shibano


ある音楽家を紹介しようとする時に、たとえその作品がアンビエント的な視点で評価できたとしても(アンビエントとして聴くことができたとしても)、本人を「アンビエント/環境音楽の作曲家」と限定的に呼ぶことは避ける場合が多いです。しかし、尾島由郎さんの場合はその呼び方に違和感はなく、むしろ日本においては最も相応しい音楽家の1人だと思います。それは、現在までさまざまな集客施設のサウンドデザインを手掛けてきたという職業的な意味だけでなく、環境音楽というリスニング文化そのものの形成に深く関わり、「環境音楽 - BGM - 音のある美術」から「アンビエント - 音響 - サウンドアート」へと移り変わってゆく時期においても前後の時代・世代を繋ぐような立ち位置に身をおいて活動を続けてきた、開拓者でありキーマンとしての存在感の大きさゆえのことだと思います。12月16日に世田谷Cafe Beulmansで開かれる尾島由郎さんのソロライブでは、80年代東京の環境音楽をめぐる動向の中でご自身が目の当たりにしてきたトピックスを交えたトークの時間が設けられるそうです。ライブ後半は近代・現代ピアノ音楽のスペシャリストで、長年のコラボレーターでもある柴野さつきさんをゲストに迎えた「Caresse」の再演も。複数の海外レーベルよりリイシュー盤や新作アルバムのリリース計画が進められているお二人の現在形のパフォーマンス、お近くの方はぜひチェックしてみてください。


Une Collection Des Chainons I: Music For Spiral (Newsic, 1988)

Belle De Nuit (Les Disques Des Chainons, 2012)

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尾島由郎 Solo Live w/ 柴野さつき
2017.12.16 sat 20:00 start
Cafe Beulmans(東京都世田谷区成城6-16-5)

info

2017年12月10日日曜日

[170.1] 水と循環の音楽


「水」「環境」をテーマに47の音楽作品を取り上げた小さなリスニングガイド冊子「水と循環の音楽」。初版発行は2010年春。当時は新潟市で企画したライブイベントなどで手配りし、その後CDショップ・雨と休日さんの協力を得て、あわせて100〜150部ほどを配布したと思います。それから長い間品切れとなっていましたが、この度、一部の誤植やアーティスト名の間違いを訂正した改訂版を発行することにいたしました。インクジェットプリンタで一枚一枚印刷した自家製本で、体裁もたいへん簡素ですが、この冊子が何かの気づきや新しい音楽と出会うきっかけになれればとても嬉しく思います。郵送をご希望の方は、fujii.nomino@gmail.com 藤井まで、件名を「水と循環の音楽 希望」とし、お名前・ご住所をお送りください。(冊子代・送料は無料となります。) 
※2019年12月末日をもって改訂版の配布受付を終了しました。たくさんのお問い合わせをありがとうございました。



発行日:2010年3月20日
発行元:のみの音楽舎
仕様:A6変型 本文80ページ
発行番号:flea27
内容:Water, 47枚の水/津田貴司インタビュー/水雑記


※冊子希望のお問い合わせをいただいてから、2日以内にこちらから返信メールを差し上げます。返信メールが届かない場合、こちらで確認が出来ていない可能性がございますので、恐れ入りますが再度メールをお送りいただくか、080-6564-4159あてにSMSにてお知らせください。

2017年12月5日火曜日

[170] Plipp - Ephemeral


Label: Rings

Catalog#: RINC35
Format: CD, Album
Country: Japan
Released: 2017

1 Egoctrenic 4:25

2 Nostalgia 2:57
3 Miniacid 1:37
4 Boards 2:13
5 Garbaj 3:15
6 Tape This Glass 4:18
7 Rita? 2:22
8 Hopeful 1:59
9 Ondah 0:53
10 Endlesstars 3:46
11 Unheard 2:10
12 UGC00180 3:45
13 Lunar Paint 3:40
14-18 (unreleased tracks)

PLIPP is a side-project of drummer Felipe Continentino, who has been exploring electronic music for some time, mostly related to thematic soundtracks. Ephemeral is the result of two years of experimentation, and features elements that range from acid to ambient, downtempo, IDM and synth-pop. The album presents well-elaborated lines, at times harmonious, at times dark. Original beats that go beyond electronic with interventions on acoustic drums give the 13 tracks album a unique flair. Influenced by Aphex Twin, Boards of Canada, Bibio, Flying Lotus and more. Everything, from the album to the cover, were created at Felipe's own home studio, in the best DIY style.


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2017年12月4日月曜日

[169] Melody As Truth

Jonny Nash & Suzanne Kraft - Passive Aggressive [MAT-8]

D.K. / S.K. - D.K. / S.K. [MAT9]

Palta ‎– Universel [MAT10]

2014年の立ち上げから充実したリリースを重ねているアムステルダムのレーベルMelody As Truth。6月にリリースされたJonny Nash(ジョニー・ナッシュ)とSuzanne Kraft(スザンヌ・クラフト)の共作「Passive Aggressive」は、ポスト・ニューエイジの流れの中でも際立って抑制のきいたプロダクションで、彼らの「チルアウトのシンプリシティ」とも言うべき静的志向を感じさせる、とても印象深い一枚でした。パリの人気プロデューサーD​.​K.がレーベル第3のアーティストとして新たに加わった「D.K. / S.K.」に続き、今年リリースのラストを飾るのは、オーフスのディープハウス・シーンを実弟DJ Sportsとともに先導するプロデューサーNatal Zaks aka Centralの別名儀Palta(パルタ)による新作EP「Universel」。民族的パーカッションのリズムとヒプノティックなエレクトロニクスを主軸に、MATの内省的でクワイエットなイメージをさらに熱帯の楽園へと押広げる、瑞々しくもディープなチルアウト・トラックを披露しています。カバーデザインは、いずれもロンドン/シドニーを拠点に活動するイギリス人ビジュアル・アーティストMichael Willis(マイケル・ウィリス)の手によるもの。WORLDWIDE-Xの創設者でもあるWillisが手掛けるビジュアルは、MAT作品において大きな役割を果たしていると思います。



Melody As Truth
Record label based in Amsterdam
run by Jonny Nash

2017年12月3日日曜日

[168] Thierry David & Fred Wallich - Humaninhuman


Label: Origins
Catalog#: OR 554 000307
Series: Les Voyages Imaginaires – 16
Format: CD, Album
Country: France
Released: 1993 (1991)
DISCOGS

1 Born To Be Wy! 3:54

2 Human Beans 3:41
3 Kasual Edge 4:37
4 Double Graal 5:03
5 Candid'On 4:16
6 After Words 4:35
7 Ah More! 4:16
8 Monkey Trans - Dance 4:15
9 Just Behind 4:55
10 Ouside In 5:18
11 Isn't Chiite B...ly? 4:08
12 The Whispering Majority 3:38
13 Hot Gods 4:36

ビジネススクール卒業後にフランス大使館のボランティアとしてリマへ渡り、アンデスの民族音楽や南米のポピュラー音楽に触れながら作曲活動を開始。その後、ブラジル、メキシコ、インド、シリアやオマーンといった中東諸国を旅して巡り、そこで得たインスピレーションから独自のエキゾチック・サウンドを開花させ、後にパリの名物無国籍料理レストランBuddha-Barのコンピレーションに収録されるなど、ラウンジDJからも高く評価された作曲家/プロデューサーThierry David(ティエリー・デイヴィッド)。80年代中頃より自身の運営する制作会社K-Voxを拠点にKoka Mediaのためのライブラリー・レコードを制作したデイヴィッドは、90年代にK-Vox Recordsを立ち上げソロCDを盛んにリリースしていましたが、本作「Humaninhuman」もその時期のK-Voxプロデュースによる一枚。共作者のFred Wallich(フレッド・ウォーリッチ)は、Urban Saxの一員として活動し、Hector Zazou作品にも参加していたサックス奏者。この2人が操るシンセとプログラミング、サックス、マンドリン、タブラ、チェロ、バイオリン、バラフォンなどゲストプレーヤーによるアコースティック楽器、さらに数曲ではソプラニストSuzan Belling(スーザン・ベリング)によるオペラ的歌唱をフィーチャーし、インド・中東などの民族的要素が混淆するイマジナリーなエスニック・フュージョンを全編にわたって展開しています。初版はWy名義でMSI傘下の現代音楽レーベルBody & Soulから91年にリリース。この緑色のカバーは、93年にOriginsの「空想の旅」シリーズの一枚として新装再発されたもの。


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