2017年12月12日火曜日

[171] Yoshio Ojima Solo Live w/ Satsuki Shibano


ある音楽家を紹介しようとする時に、たとえその作品がアンビエント的な視点で評価できたとしても(アンビエントとして聴くことができたとしても)、本人を「アンビエント/環境音楽の作曲家」と限定的に呼ぶことは避ける場合が多いです。しかし、尾島由郎さんの場合はその呼び方に違和感はなく、むしろ日本においては最も相応しい音楽家の1人だと思います。それは、現在までさまざまな集客施設のサウンドデザインを手掛けてきたという職業的な意味だけでなく、環境音楽というリスニング文化そのものの形成に深く関わり、「環境音楽 - BGM - 音のある美術」から「アンビエント - 音響 - サウンドアート」へと移り変わってゆく時期においても前後の時代・世代を繋ぐような立ち位置に身をおいて活動を続けてきた、開拓者でありキーマンとしての存在感の大きさゆえのことだと思います。12月16日に世田谷Cafe Beulmansで開かれる尾島由郎さんのソロライブでは、80年代東京の環境音楽をめぐる動向の中でご自身が目の当たりにしてきたトピックスを交えたトークの時間が設けられるそうです。ライブ後半は近代・現代ピアノ音楽のスペシャリストで、長年のコラボレーターでもある柴野さつきさんをゲストに迎えた「Caresse」の再演も。複数の海外レーベルよりリイシュー盤や新作アルバムのリリース計画が進められているお二人の現在形のパフォーマンス、お近くの方はぜひチェックしてみてください。


Une Collection Des Chainons I: Music For Spiral (Newsic, 1988)

Belle De Nuit (Les Disques Des Chainons, 2012)

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尾島由郎 Solo Live w/ 柴野さつき
2017.12.16 sat 20:00 start
Cafe Beulmans(東京都世田谷区成城6-16-5)

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