2026年3月20日金曜日

Subtle - A Happy Spleen


Label: Farlove
Catalog#: SPCDF-002
Format: CD, Album
Country: Japan
Released: 2001

1 Spring Sponsor 5:00
2 CIRCletion 4:06
3 Never Enough 2:27
4 Opportunity 3:23
5 Tower Of Tale 5:11
6 Happy Life 2:48
7 Tasty Life 6:14
8 Kettle And Pillow 4:23
9 The Encounter 3:39
10 Minors 3:12

仙台を拠点とするプロジェクトSubtle(サトル)が、青山スパイラルのレーベルから発表した初のフルアルバム。メンバーは作曲家/マルチ奏者の瀬川雄太と、プログラミング/編集担当の中谷俊介の二人組。
瀬川氏による生楽器やプログラミングを主体とする抑制の効いたバンドアンサンブルをもとに、中谷氏がポストプロダクション的なエディットを加えて再構築したインストゥルメンタル・サウンド。当時の音響派の過度な構築性と比べると、本作はよりメロディや情緒性、流動的な展開に比重が置かれています。弦楽器の扱いは、ブラジル/イベリア系の浮遊感をともなうコードワークが基調。端正なアンサンブル構造をあえて崩したり、意外性のあるパッセージやノイズが予期せぬ場所に配置されたり、そうしたアイデアの断片がドライなプロダクションの中で漂泊的に現れては消えていきます。Gastr del SolやTortoiseといった当時のシカゴ勢への敬意を滲ませつつも、その影響を意図的に避けて独自の語法を模索するような試行錯誤が随所でうかがえ、結果として、どの方向にも振り切れない不思議なバランスが本作のオリジナリティになっているように感じます。エレクトロニックでありながら緻密なところはアナログという、冷たさと暖かさが同居する有機的な手触りは、ひょっとして音響派の文脈よりもInteriorら中間音楽のリスニング感に近いのかもしれません。あらためて良いアルバムだなと思います。

...