2015年11月28日土曜日

[016] Amfibian - Pa Relax


Label: Touché
Catalog#: TOU 9513
Format: Vinyl, 12"
Country: Netherlands
Released: 1995
DISCOGS

A Pa Relax 12:00

B Pa Relax (Jark & Prongo Remix) 9:26

written and produced by

Sander Baas & Alex 'Jamez' Dijksterhuis (co-founder of Touché)

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2015年11月27日金曜日

[015] Tiny Music - Epitaph


Label: Notice Recordings
Catalog#: NTR019
Format: Cassette, Album
Country: US
Released: 2011
DISCOGS

1 Side A 14:46

2 Side B 16:19

フォークロア・リスニング②。「樹木はもちろん、ホラ貝や骨、あるいは太鼓類に使う皮革やバグパイプに使う内蔵など、生き物のカラダや亡骸を使うことによって成立する、他の生命やその死との共有によって成り立つのが楽器の音」。古雑誌をめくっていたところ、民俗楽器に関する記事の中にこのような興味深い文章がありました。楽器は古くから霊性を媒介するための道具として用いられ、また、長い進化過程では人々の生死が刻み込まれてきたもの。そこには固有の歴史性・記憶・時間感覚が残り、演者の意にかかわらず楽器自身が無言で語るメッセージがあるだろうと考えました。

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Tiny Musicはシカゴの即興カルテット。2009年から2010年にかけて録音。クレジットによると貝製シャンデリア、トーンジェネレーター、塩ビ管、風船、ソケットレンチ、ヤギの皮で作った楽器、カセットプレーヤー、オルガンの足、ボウル、ハーモニカ、ブロンズ製オーナメント、コートハンガーのゴムバンド、サイレンホイッスル、バイオリン弦で結われた木馬、チェーン、シンバル、金属板の欠片、パイプオルガンの木製パイプ、ノコギリ、ワイングラス、バグパイプの主唱管など、不完全な楽器を本来とは異なる方法で用いたり、身の回りの壊れた道具に細工を加えたりと、様々なサウンド・オブジェクトを床に雑然と並べ、四者が思うままに手にとって音を出す。A面は物音中心で、ギシギシとした軋み、カタカタ、カラカラと重なる音の小片に、動物のようなうなり声。B面は壊れたアコーディオンやオルゴール、バンジョーなど楽器をメインに、酷く歪なチェンバー・ミュージックの様相。タイトル「墓碑銘」はおそらく「道具の墓場」のことと思いますが、道具と人との営みの終局に「老いた道具たちの語り」を起こすオーラリティ(聞き書き)としての演奏が記録されているようにも聞こえます。Notice RecordingsはEvan Lindorff-ElleryとTravis Birdにより2009年にシカゴで設立、現在はポートランドを拠点とする実験音楽レーベルで、2015年秋の最新リリースはLoren ChasseとRafael Toral。


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 Loren Chasse - The Sodden Floor (2015)

Rafael Toral - Space Collective 2 Live (2015)

2015年11月26日木曜日

[014.1] Ediciones Cubicas

Luis Delgado - Persiguiendo El Infinito (Vathek)

Ishinohana - Mas Allá Del Paraiso (La Flor De Piedra)

Luis Paniagua - Bajo Las Aguas (Neptuno)

Miguel Herrero - En La Quietud Y La Calma (Iolantha)

Macías - Por Espacios Abiertos (Regreso A Valencia)

Patricia Escudero - El Sueño De Satie (Regreso A Valencia)


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cassettes reissued by Ediciones Cubicas
originally released on El Cometa De Madrid, Grabaciones Accidentales

2015年11月24日火曜日

[014] Michael Tanner - Music For Three Hills


Label: -
Catalog#: -
Format: Digital, Album
Country: UK
Released: 2015

1 The Green Crown i 11:27

2 The Green Crown ii 11:34
3 Phase Shift 16:11

フォークロア・リスニング①。ある演奏会に参加したとき、静かに発せられる音に演奏者の内面性が滲んで見え、ふと「弧のフォークロア」という言葉が頭に浮かびました。フォークロアとは人々(folk)の知恵(lore)という意味で、一般的には村や郷といった集合体の中で生まれた習俗や伝承を指す語。でも、その最小単位である人間一人が、自分自身のために身につけた知恵も同じようにフォークロアといえるのだろうかと。それは悩みや憂いといった他者に容易に伝えることのできない感情を含み、たとえ自分の子であっても委ねることができず、静かに抱えて死んでゆくような寡黙なものかもしれない。誰かに継承できないほど私的なもので、次の代も同じようにくり返す。フォークロアは、そのように「個人性」と「集合性」の両面で成り立っているように思いました。人が死ぬ時、そのフォークロアはすっと消えてしまうのではなく、エッセンスやスピリットとしてその場に残り続け、道具であり、建物であり、人の通ったところに経験として蓄積されるとしたら、それは道具や建物のフォークロアといえるのかもしれません。フォークロア・リスニングとは、大きな区分のエスノロジーに限らず、人・物・場所に内在する固有の記憶や気配への耳を差し出し、その音を一旦音楽の域から離すことで、楽器・空間・時間による独り語りの先を想像してみること。

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イースト・サセックスを拠点に活動する作曲家/エンジニア、PlinthことMichael Tanner(マイケル・タナー)によるサセックス・ワークス最終作は、2014年の春、キーが壊れた古いアコーディオンを携えてモーリングダウンの3つの丘を登り、コテージに泊まりながら丘ごとの頂上で録音した3つの即興演奏。「音楽」や「曲」ではなく「シンプルに風景と対話した記録」。古いアコーディオンは和音ボタンのみが生きていて、それも気まぐれに予想外の音を発したといい、グレインサックのような粗い触り心地のドローンが、時おり鳥や羊たちの鳴き声や飛行機の音と交わる。作者はこれまでも民間伝承や古い音楽機械をモチーフとしていますが、ロングフォームのサセックス・ワークスでは特にメランコリックな詩情や静かな祈りのようなアンビエンスが醸成されていて、フォークロアの両面(土地と個人)と音との関係を意識させられます。


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2015年11月20日金曜日

[013] Quadrophenia - Paradise


Label: New Age
Catalog#: AGE 301
Format: Vinyl, 12"
Country: Italy
Released: 1989
DISCOGS

A1 Paradise 4:55

A2 Paradise (Sax Solo) 1:00
B1 Paradise (Jam Beat Version) 5:50
B2 Paradise (Acapella) 1:05

伊DiscomagicのプロデューサーSevero Lombardoni(セヴェーロ・ロムバルドー二)によるQuadrophenia(クアドロフェニア)名義の一枚で、サブレーベルNew Ageから1989年にリリース。鳥の鳴き声や潮騒のサウンドエフェクトが楽園的なイメージを広げ、ジャジーなサックスが歌い上げる自然志向のニューエイジハウス・クラシック。


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2015年11月19日木曜日

[012] CFCF - The Colours Of Life


Label: 1080p
Catalog#: 1080P52
Format: Cassette, Album
Country: Canada
Released: 2015
DISCOGS


1 The Colours Of Life 40:26


潔癖なほどにリファインされた「Soul Of The Machine」の現代的解釈。2009年からPaper BagやRvng Intlなどのレーベルからインディ・ディスコ/ハウス〜アンビエント作品をリリースしているモントリオールのプロデューサーCFCF=Michael Silver。Phil Collinsの "Hand in Hand" やウィンダムヒル作品からインスパイアされたという本作では
、これまで持ち味としていた80'sシンセ/ミニマリズムへのフェティッシュな志向を、豊かな緑とテクノロジーが共生する都市景観やエココンシャスな未来像を懐う全12パートのロングトラックへと発展・拡張。艶っぽいムードを匂わせるサキソフォンはSoftware作品を手掛けるプロデューサー/エンジニアのAl Carlson。A5 "Rain Dance" A6 "Intimacy" はアンビエントポップ・ユニットDip in the Poolの木村達司とのコラボレーション。アートワーク、VHS画質のMVも素晴らしく、Melody As Truth作品やA.R.T. Wilsonと並び、ニューエイジ再興のクリスタルサイドから一つの終着点を提示する際立った存在感を放つ作品です。

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2015年11月15日日曜日

[011] Marc Barreca - Tape-Recordings 1977-1983


Label: Vinyl-on-demand
Catalog#: VOD139.MB
Format: Vinyl, LP, Compilation
Country: Germany
Released: 2015
DISCOGS  BUY

- Raw Fish And Green Tea (1979)

A1 Eight Hours To Milan 5:59
A2 Raw Fish And Green Tea 7:13
A3 Briefly Interrupted By A Welcome Stranger 5:47
- Currents (1980)
A4 Currents 2 4:11
A5 Currents 6 4:40
- In A Foreign Land (1977)
B1 Wolf Tone 3:12
B2 Boppin 3:49
B3 Soundtrack From Salmo 4:28
B4 School For Whales 4:19
B5 In A Foreign Land 6:16
- Music Works For Industry (1983)
B6 Music Works For Industry 2:09
B7 The Urge To Buy Terrorizes You 1:46
B8 Community Life 2:00
listen B7

Marc Barreca is an american synth/multi-instrumental musician and also an artist oft he first hour of cassette-culture. Inspired by Brian Eno and the Ambient-School he started to record his own music in the mid-70’s.By 1980 he already recorded three Tapes called In a Foreign Land (1977), Raw Fish & Green Tea  (1979) as well as Currents (79/80)  all three only released and distributed via Eurock-Distribution in an extremley low quantity. In 1980 he released his first Lp called Twilight on K. Leimer's Palace of Lights-Label; a Tape called Music Works for Industry would follow 3 years later also on Palace of Lights, another 3 years later on Jeff Greinke’s Intrepid Label another Tape (The Sleeper Wakes). Besides performing together with James Husted and Roland Barker as the Seattle-based electronic music group Young Scientist in the late 1970's and early 1980's he also was also a member of K. Leimer’s studio group, Savant. Marc uses digital and analog synthesizers, digital samplers, environmental field recordings and computer processed audio loops to create multi-layered audio compositions. Marc employs similar techniques to those used in his audio recordings to create multi-layered abstract visual compositions from digital photos and video source material. tracks contained on this Lp are from his Tape-Releases ‚Raw Fish & Green Tea, Currents‚ Music Works for Industry and In a foreign Land’ - vinyl-on-demand.com



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VOD139.AP: Anode Productions - Recordings 1974-79

OD139.KL: K. Leimer - Recordings 1977-80

VOD139.YS: Young Scientist Recordings 1979-81

2015年11月14日土曜日

[010] Mo Boma - Myths of The Next Future Part One


Label: Extreme
Catalog#: XCD 025
Format: CD, Album
Country: Australia
Released: 1994
DISCOGS

1 Food Of The Gods 6:12

2 Walk Like A Pygmy 4:02
3 The Kindness Of Women 3:50
4 Slolooblade: The Drowned World 7:05
5 Terrace 3:42
6 Jijimuge Three (Yellow Earth - Amaboma) 7:10
7 Mongombi 3:48
8 Garden Of Time 5:45
9 Nyodi 5:20

89年、3人のバークリー音楽大学生によってボストンで結成された

トライバル/トランス/ジャズ・アンビエント・アンサンブル Mo Boma(モー・ボマ)。
SF小説作家 J・G・バラードの著作「近未来の神話」に基づく全三部作の第一部作品。

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2015年11月13日金曜日

[009] Max Eastley - Clocks Of The Midnight Hours



1986年製作、89年にイギリスの公共テレビ局チャンネル4で放送されたサウンドアーティストMax Eastley(マックス・イーストリー)のドキュメンタリー番組「Clocks Of The Midnight Hours」。監督は、現在Another Timbreを主宰するSimon Reynell(サイモン・レイネル)。

Documentary about the work of Max Eastley, made in 1986, featuring sequences of sound sculptures in natural settings, plus Eastley accompanying them in the studio. Also includes extracts from performances of 'Whirled Music' (with Steve Beresford and David Holmes), a sequence composed jointly with David Toop and Kazuko Hohki, and a duo with Evan Parker in a cave in Devon. - anothertimbre
via. continuo-docs

2015年11月2日月曜日

[008.1] oct

10月のリスニングから
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Koolfang - Jambient (Fax +49-69/450464, 1995)
listen Koolfang
Move DことDavid MoufangとPete Namlookのコラボレーションの中で、ジャズ/クロスオーバーへアプローチしたKoolfang(クールマン+モーファン=クールファン)名義の1作目。この作品を聴き「無重力空間を彷徨うような寂寥としたスペースサウンド」というFAXに対してもっていた先入観が覆され、同時にとても魅了された。プレイヤーシップ溢れるスムースなギターを披露しているNamlookは、80年代にはフュージョン・グループRomantic Warriorの中心人物であったこともファンの間ではよく知られているという。Rebucatt Cacciatoreのトランペットが柔らかなシンセと軽いリズムシーケンスに映えるアンビエント・スロウジャム#1ほか、密やかな深夜のバックグラウンドに至適なアルバム。

Massimo Amato - La Centrale Elettrica (Affordable Inner Space, 2015)
2008年からエレクトロニック作品のレビューやインタビュー、DJミックスを発信するローマ拠点の非営利ウェブマガジンElectronique.itが、「アコースティックとエレクトロニックの境界上、よりシンプルに美しい音楽を追求する」というコンセプトのもと、レーベル内に立ち上げた新しいプロジェクトAffordable Inner Space。その第一弾タイトルが、Mono-Droneとして長年ローカルシーンで活動してきたマルチ奏者Massimo Amato(マッシモ・アマート)のリーダー作品。Amatoのメロディカやサントゥール、エレクトロニクス、哀感に満ちたギターとジャジーなドラムが交わる陰影の深いエモーティブなバンド・アンサンブルで、#1-2の流れが美しい。第二弾はイタリアのオブスキュア・エレクトロニック作品のリイシューが進行しているという。

Egisto Macchi - Il Deserto (Cinedelic Records, 1974/2015)
Franco Evangelisti(フランコ・エヴァンジェリスティ)、Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)とともに即興音楽集団Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaの主要メンバーとして活動したグロッセート出身の作曲家Egisto Macchi(エジスト・マッキ)。74年に小さなライブラリー・レーベルAyna Recordsから出版された「砂漠」が、Cinedelic Recordsによりベルベット製ゲートフォールドの豪華仕様でリイシュー。シリアスな弦楽合奏に時計の音が聞こえる「先史時代の標し」、淡いマリンバと曇ったグラスハープ「儀式のために」、電子音で風鳴りを擬した「熱風」など、おそらく現地の伝統音楽に根ざしたものではなく、対岸から海と時を越えて夢想した砂漠地の風景やコスモロジーを、様々なアイデアの実践の場になっていただろう自由度の高いライブラリー音楽の枠組みの中、抽象的な音響で描いた作品。サハラを辿る旅の風情を楽しむというより、夜も辺りが気になって眠りにつくことができない異郷の空気感が強調されているように聞こえる。

Eblen Macari - Altiplano (Grabaciones Lejos Del Paraiso, 1992)
listen Sol
デビュー当時はシンガーソングライター然とした弾き語りスタイルを見せていたEblen Macari(エバラン・マカリ)。フォークロアとエレクトロニクスの融合を果たした「Música Para Planetarios」はもとより、ギター1本の音世界を深めるべくシンプルな編成(時々エフェクトや打楽器が加わる)にシフトした「Tientos」「Amber」のクワイエットなフォークも素晴らしい。その後、アンサンブルでの活動に専念し、アラブ周辺の伝統音楽とのコネクションを強めながらマージナルな響きの先を追求してゆくが、メキシコシティ出身のMacariによってアラブは何か自身のルーツを見いだせる土地なのかもしれない。92年に発表された本作「Altiplano」は、ミニマル/エスノ色の濃いシンセ曲が並ぶドキュメンタリー映画「テオティワカン〜神々が生まれた土地」のためのサウンドトラック。テオティワカンとはメキシコシティから北東約50kmにあるメソアメリカの中心的都市遺跡で、太陽を崇拝対象としていたテオティワカン人の宗教観を示す巨大な太陽のピラミッド(世界で3番目の大きさ)があるという。

Perfect Sound Forever w/ Les Halles
竹笛の音や環境音をローファイに加工し、エキゾチズムが薫り立つ遠く霞んだ村風景を描く仏人作家Les Halles(レ・アール)が、ロンドンのオンライン・ラジオ局NTS Radioのプログラム「Perfect Sound Forever」にゲストミックスを提供。10月21日放送の回。Windy & CarlからYoshio Ojima、James Ferraro、Visible Cloaksまで、2時間に渡る夢心地のアンビエンス・セレクション。