2015年11月2日月曜日

[008.1] oct

10月のリスニングから
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Koolfang - Jambient (Fax +49-69/450464, 1995)
listen Koolfang
Move DことDavid MoufangとPete Namlookのコラボレーションの中で、ジャズ/クロスオーバーへアプローチしたKoolfang(クールマン+モーファン=クールファン)名義の1作目。この作品を聴き「無重力空間を彷徨うような寂寥としたスペースサウンド」というFAXに対してもっていた先入観が覆され、同時にとても魅了された。プレイヤーシップ溢れるスムースなギターを披露しているNamlookは、80年代にはフュージョン・グループRomantic Warriorの中心人物であったこともファンの間ではよく知られているという。Rebucatt Cacciatoreのトランペットが柔らかなシンセと軽いリズムシーケンスに映えるアンビエント・スロウジャム#1ほか、密やかな深夜のバックグラウンドに至適なアルバム。

Massimo Amato - La Centrale Elettrica (Affordable Inner Space, 2015)
2008年からエレクトロニック作品のレビューやインタビュー、DJミックスを発信するローマ拠点の非営利ウェブマガジンElectronique.itが、「アコースティックとエレクトロニックの境界上、よりシンプルに美しい音楽を追求する」というコンセプトのもと、レーベル内に立ち上げた新しいプロジェクトAffordable Inner Space。その第一弾タイトルが、Mono-Droneとして長年ローカルシーンで活動してきたマルチ奏者Massimo Amato(マッシモ・アマート)のリーダー作品。Amatoのメロディカやサントゥール、エレクトロニクス、哀感に満ちたギターとジャジーなドラムが交わる陰影の深いエモーティブなバンド・アンサンブルで、#1-2の流れが美しい。第二弾はイタリアのオブスキュア・エレクトロニック作品のリイシューが進行しているという。

Egisto Macchi - Il Deserto (Cinedelic Records, 1974/2015)
Franco Evangelisti(フランコ・エヴァンジェリスティ)、Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)とともに即興音楽集団Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaの主要メンバーとして活動したグロッセート出身の作曲家Egisto Macchi(エジスト・マッキ)。74年に小さなライブラリー・レーベルAyna Recordsから出版された「砂漠」が、Cinedelic Recordsによりベルベット製ゲートフォールドの豪華仕様でリイシュー。シリアスな弦楽合奏に時計の音が聞こえる「先史時代の標し」、淡いマリンバと曇ったグラスハープ「儀式のために」、電子音で風鳴りを擬した「熱風」など、おそらく現地の伝統音楽に根ざしたものではなく、対岸から海と時を越えて夢想した砂漠地の風景やコスモロジーを、様々なアイデアの実践の場になっていただろう自由度の高いライブラリー音楽の枠組みの中、抽象的な音響で描いた作品。サハラを辿る旅の風情を楽しむというより、夜も辺りが気になって眠りにつくことができない異郷の空気感が強調されているように聞こえる。

Eblen Macari - Altiplano (Grabaciones Lejos Del Paraiso, 1992)
listen Sol
デビュー当時はシンガーソングライター然とした弾き語りスタイルを見せていたEblen Macari(エバラン・マカリ)。フォークロアとエレクトロニクスの融合を果たした「Música Para Planetarios」はもとより、ギター1本の音世界を深めるべくシンプルな編成(時々エフェクトや打楽器が加わる)にシフトした「Tientos」「Amber」のクワイエットなフォークも素晴らしい。その後、アンサンブルでの活動に専念し、アラブ周辺の伝統音楽とのコネクションを強めながらマージナルな響きの先を追求してゆくが、メキシコシティ出身のMacariによってアラブは何か自身のルーツを見いだせる土地なのかもしれない。92年に発表された本作「Altiplano」は、ミニマル/エスノ色の濃いシンセ曲が並ぶドキュメンタリー映画「テオティワカン〜神々が生まれた土地」のためのサウンドトラック。テオティワカンとはメキシコシティから北東約50kmにあるメソアメリカの中心的都市遺跡で、太陽を崇拝対象としていたテオティワカン人の宗教観を示す巨大な太陽のピラミッド(世界で3番目の大きさ)があるという。

Perfect Sound Forever w/ Les Halles
竹笛の音や環境音をローファイに加工し、エキゾチズムが薫り立つ遠く霞んだ村風景を描く仏人作家Les Halles(レ・ハレス)が、ロンドンのオンライン・ラジオ局NTS Radioのプログラム「Perfect Sound Forever」にゲストミックスを提供。10月21日放送の回。Windy & CarlからYoshio Ojima、James Ferraro、Visible Cloaksまで、2時間に渡る夢心地のアンビエンス・セレクション。