2026年6月23日火曜日

Pluramon - Dreams Top Rock


Label: Karaoke Kalk
Catalog#: Karaoke Kalk cd 23
Format: CD, Album
Country: Germany
Released: 2003

1 oo4 0:04
2 Time For A Lie 4:49
3 Noise Academy 5:07
4 PS 1:25
5 Flageolea 4:22
6 Have You Seen 4:44
7 Hello Shadow 3:55
8 Difference Machine 4:28
9 Time (Catharsia Mx) 4:54
10 Log 5:55

ドイツ・ケルンの重鎮作家Marcus Schmickler(マルクス・シュミックラー)が、自身のプロジェクトPluramon名義で発表した4thアルバム。David Lynch作品で知られる歌姫Julee Cruise(ジュリー・クルーズ)を全編でフィーチャー。さらにKevin DrummやKeith Roweといった即興/ノイズ音響の異能たちがゲスト参加しています。
ギターノイズを解体した硬質なグリッチ作品を手掛けてきたPluramon。本作ではクルーズの甘美な歌声を中心に据えたことで、サイケデリックなポップ感が強まり、当時隆盛していたエレクトロ・シューゲイザーの潮流へと一歩踏み込んだような印象を受けます。同時期を象徴する作品としてまず思い浮かぶのは、同じくケルンを拠点とするGuitarの名作「Sunkissed」。ノイズとイーサリアルなヴォーカルの組み合わせという点で両者は共通していますが、MBV「Soon」直系の恍惚感をサンプリングの反復によって最大限に増幅させた「Sunkissed」が燦然たる太陽光だとすれば、この「Dreams Top Rock」はぼんやりと陰る妖艶な朧月。そんな例えが似合うダウナーでビザールな夜想世界。
いびつなグリッチ、ザラついたデジタルエラー、そしてポストロック的な即興演奏。これらを緻密なポストプロダクションによって脱構築していく、ケルン派らしい理知的でストイックなアプローチ。その中を浮遊するクルーズの、天使のようでありながら不穏さを孕んだ美しい歌声。「ツインピークス」の幻影とシューゲイズの轟音。夢のようなふたつの要素が溶け合いながら、深い淵へとゆっくり沈殿していくメランコリア。馬を配したアートワークや、中盤で見せるアメリカンゴシック的な枯れたバンドアンサンブルも含めて、どこかリンチ作品の世界観や、その作品群の中で特異な存在感を放っていたクルーズ自身へのオマージュが、さりげなくも巧みに織り込まれているようにも感じられます。

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