Label: Buh Records
Series: Sounds Essentials Collection
Catalog#: BR75
Format: CD, Album
Country: Peru
Released: 2015 (1984)
DISCOGS
1 Paisajes Naturales 37:51
2 Paisajes Urbanos 18:07
「Paisajes Sonoros」(Soundscapes)は、1984年にカセットで自主リリースされました。この作品は、Manongo Mujica(マノンゴ・ムヒカ)とDouglas Tarnawiecki(ドウグラス・タルナヴィエッキ)による、ペルー音楽に関する大規模な研究の成果でした。彼らは一年かけて、パラカス砂漠からジャングル、リマの市場や大通りを訪ね歩き、海の音、風の音、通りの話し声、ラジオの音を採取しました。このすべての録音素材を使って、サンドロ・リ・ロジーのスタジオでサウンドトラックを構成。そこに様々な楽器を追加し、個人性と民族性が交差する具体音楽とコラージュの探求、アンビエント、ドローンから民族音楽に及ぶ作品を作り上げました。タルナヴィエッキは1982年にムヒカと出会いました。タルナヴィエッキはアカデミックな作曲の出身で、米ロチェスターで学び、ギリシャのプロジェクトのために世界の様々な伝統音楽を研究していました。ムヒカは打楽器奏者として即興とサイケデリック・ロックに専念していましたが、1983年にリマに戻った後、民族音楽、ドローン、具体音楽、フルクサスのようなコンセプチュアルな音楽を追求しはじめました。ムヒカと、アフロペルーの伝説的な打楽器奏者Julio "Chocolate" Algendones(フリオ・チョコラテ・アルヘンドネス)との出会いは、アフロペルー音楽と自由即興を介して霊的交感を探るきっかけになりました。アルヘンドネスはアフロペルーのパーカッションの伝統において異端の存在でした。彼はキューバとハイチに住み、彼の考えるパーカッションの手法に多くの影響を与えた「サンテロ」の儀式やそのリズムに精通していました。彼の特異性はムヒカを魅了しました。彼らのもとに、ロンドンで学び、ポピュラー音楽で作曲を始めた電子音楽作曲家Arturo Ruiz del Pozo(アルトゥーロ・ルイズ・デル・ポゾ)が合流しました。このように、「Paisajes Sonoros」は異なるバックグラウンドをもつ4人のミュージシャンの出会いでもありましたが、しかし彼らは共通して、アカデミックとポップの関係を探求し、自由即興の手法によってネイティブと前衛音楽の共有領域を見つけることに関心を持っていました。1983年には既に、ルイズ・デル・ポゾ、ムヒカ、Omar Aramayo(オマル・アラマヨ)の3人による、アンデスの響きと電子音楽と民族ジャズ・パーカッションを融合した冒険的な作品「Nocturno」がリリースされていました。「Paisajes Sonoros」も、ペルーが社会的に危機的な段階にあった時期につくられました。1980年のFernando Belaúnde Terry(フェルナンド・ベラウンデ・テリー)による民主主義への復帰は、都市のスカイラインの必然的な変容と並行して行われました。インフォーマルな経済が出現し、農村部から都市住居への大規模な移住の結果、首都にアンデス文化が定着しました。80年代まで、リマは深刻な経済危機やテロ集団の問題に直面したため、不安定な状態にある都市でした。当時のリマの状況は、すべて「Paisajes Sonoros」の背景となるサウンドトラックでした。 しかし、自然のドキュメンタリーという性質を超えて、これらの音は、演奏された音楽と対話する精神音響の投影として機能します。周囲の音に触れることは、それが何であるかという現実のサンプリングであり、音楽の設定とそれ自体を具現化し、聴き方の幅を広げて創造的な活動に変えるものです。 - ルイス・アルヴァラード
「Paisajes Sonoros」は、私たちの内面の音世界と外の世界、2つの異なる世界を同時に聞く必要性から生まれた音楽研究プロジェクトです。 2つの世界には、異なる振動の性質があります。これら「世界」の間にある矛盾を聞くことを学ぶことは、ひとつの存在の2つの側面の両方の対立を含む「サウンドスケープ(パイサヘ・ソノロ)」を認識することにつながります。これに続く3番目の要素は、複雑な聴覚プロセスの暗黙智としてのユーモアです。それぞれの音のディスプレイの背後には、他の、より静かで見えにくく、さらに捉え難いものが隠れています。それはおそらく、すぐには理解できない起源・砂漠の風景の音。 そのひとつひとつに、音楽的に等しいものはありますか?「Paisajes Sonoros」は、起源の物語を語ろうとしています。それは、主役としての音の発達と死。そして、自然、風・水・雨の発生、次の都市へと続くジャングルの入り口、矛盾と聴覚の豊かさ有するリマの物語です。私たちが音楽を固定的かつ定義可能なものとして判断する習慣や予感を放棄するとき、サウンドスケープの概念が現れます。そうすることによってはじめて、もっとも取るに足らないノイズからもっともありふれた生活音まで、すべての聴覚環境、すべての鳴り響く行為が、別の次元・別の意味にかわり、サウンドスペクトルを生きるキャンバスとして感じる手段になり、私たちが今ここに存在する他の音楽に気づくための手がかりになります。 - マノンゴ・ムヒカ
This CD is part of the Sounds Essentials Collection, a rescue project of several fundamental works of Peruvian Avantgarde music, which will be published periodically. The project is made possible through the support of VICERRECTORADO DE INVESTIGACIÓN, DE LA PONTIFICIA UNIVERSIDAD CATOLICA DEL PERÚ Y ALTA TECNOLOGÍA ANDINA (ATA)
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(Sounds Essentials Collection Vol 3)